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出口治明の提言:日本の優先順位

テロ頻発の原因は本当に「文明の衝突」か

出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]
【第142回】 2015年12月11日
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 少なくとも130人が死亡した卑劣なパリの同時多発テロ事件から、早くも1ヵ月が過ぎようとしている。犠牲になった方々に深い哀悼の意を捧げるとともに、この事件の意味するところを少し考えてみたい。

テロとは歴史の進歩、
人類の進歩に反する行為だ

 学生時代に読んで深く腹落ちした本がある。市井三郎「歴史の進歩とはなにか」がそれで、この世に生を受けた人間が自分には全く責任のないことで、自分の好きな生き方ができなかったり、チャレンジする機会が与えられないこと、あるいは、意に反することを強制させられること、そういった事象を少しでも減らしていくことが歴史の進歩である、といった趣旨だったと記憶している。

 テロは、突然、理不尽にも自分に全く責任や落度のない状況で命を奪われるわけだから、その意味では歴史の進歩を逆行させる暴挙という他はない。ひとり一人のかけがえのない人生を大切にする方向性こそが、歴史の進歩であり、人類の進歩なのである。

テロは急増しており
犠牲者の約8割が上位5ヵ国に集中

 ところで、テロの犠牲者は近年どのように推移しているのだろうか。アメリカ国務省のデータによれば、2010年から12年まで1万1000~1万3000人レベルで推移していた犠牲者数がここ1~2年で急増しており、2013年は1万8000人を超え、14年は実に3万3000人に達しようという勢いである。

 個々の国別にみるとイラクの9900人超を筆頭に、ナイジェリア、アフガニスタン、パキスタン、シリアの上位5ヵ国で犠牲者の約80%を占めている。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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