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パリ連続テロで課題が見えたイスラムとの共存

仲野博文 [ジャーナリスト]
2015年12月1日
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パリ連続テロを受け、フランスをはじめ欧州・北米の各国で警備態勢・難民受け入れ態勢や、市民の意識にも変化が出始めている Photo:REUTERS/AFLO

11月13日にフランスのパリで発生した連続テロ事件。犠牲者の数は130人に達し、事件発生後にヨーロッパ各国はテロリストの疑い、もしくはテロ組織との繋がりが指摘される人物の情報交換に本腰を入れ始め、フランスやベルギーで連日のように大々的な家宅捜索が実施されたのは記憶に新しい。パリで発生した連続テロは、今夏から世界中で続く難民受け入れに関する議論にも、少なからず影響を与えている。(取材・文/ジャーナリスト 仲野博文)

犠牲者の国籍は様々で、
テロの犠牲になったイスラム教徒も

 パリ市内でほぼ同時刻に発生したテロ。テロは6ヵ所で発生したが、その中で最も大きな被害を受けたのがパリ市内中心部にあるライブハウス「バタクラン」だった。1500人収容のライブハウスでは、事件当時アメリカのバンドの演奏が行われており、そこで発生した無差別発砲によって80人以上が殺害されている。130人の犠牲者の国籍は21ヵ国にも及び、少なくとも6人のイスラム教徒も含まれていた。

 偶然なのか、バタクランから1月にテロ事件のあったシャルリ・エブド編集部のある建物までは徒歩圏内だ。

 パリ検察のフランソワ・モラン検事は14日の記者会見で、サッカーのフランス代表対ドイツ代表の親善試合が行われていたスタット・ドゥ・フランス周辺で発生した爆発についても言及。入場券を持った男がスタジアムに入ろうとした際、ボディチェックで不審に感じた警備員が男に対し、入場口の近くで再度身体検査を試みようとした。その矢先、男は少し後退し、そのまま着ていた爆弾付きのベストを起爆させたのだという。

 その3分後にはスタジアムの外にいた別の男も自爆し、さらにその近くにあるファストフード店の前で3人目の男も自爆している。フランスの警察当局は自爆犯が当初はスタジアム内部で自爆テロを計画していたと断定。もし試合中のスタジアムで自爆テロが決行されていた場合、パニックになった観客の将棋倒しなどで、犠牲者の数が激増した可能性を示唆した。

 CIAに30年以上勤務し、現在は米ワシントン市内にあるシンクタンク「ブルッキングス研究所」で上級フェローとして外交や諜報活動に関する研究に携わるブルース・リーデル氏は、今回のパリ連続テロ事件と2008年11月にインドのムンバイで発生したテロ事件との類似性と違いの両方を、同研究所のウェブサイトで指摘している。

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仲野博文 [ジャーナリスト]

甲南大学卒業、米エマーソン大学でジャーナリズムの修士号を取得。ワシントンDCで日本の報道機関に勤務後、フリーに転身。2007年冬まで、日本のメディアに向けてアメリカの様々な情報を発信する。08年より東京を拠点にジャーナリストとしての活動を開始。アメリカや西ヨーロッパの軍事・犯罪・人種問題を得意とする。ツイッター:twitter.com/hirofuminakano

 


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