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陳言の選り抜き中国情報

中国軍の近代化と精鋭化に舵を切った習政権の意図

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2015年12月17日
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 習近平国家主席は、2015年9月3日の軍事パレードの際、現行230万人の軍人を200万人に減らす方針を発表した。30万人とは、日本の現役自衛隊員の数よりも多く、世界的に見ても大きな出来事ではあるが、日本のメディアは、中国が兵力削減したことについてはあまり関心を払わず、ほとんど評価しなかったと筆者は中国で感じていた。

 筆者は、11月26日に新華社通信が中国軍改革のトップダウン設計案の概要を正式に公表したことに注目している。これまで注目を集めてきた中国の国防・軍の改革深化が、小さなクライマックスを迎えたと思う。

 また同日、中国外務省の洪磊(こう・らい)副報道局長は定例会見で、海賊対策などを行う中国海軍のためにアフリカ東部ジブチと「食料・燃料の補給施設を建設するため協議を進めている」と述べ、軍事拠点建設計画があることを認めた。これは、中国軍の海外における初の軍事基地であり、米国に警戒心を抱かせるものであった。

 二つの事が同じく11月26日に公表されたことが、目下中国にとって、要となる歴史的な節目であることを物語っている。現在、中国は世界で台頭し、海外における利益も拡大している。どのように国内外の厳しい試練に対応し、国家の利益を守りつつ拡大させ、国内の安定を維持するのか。これらのことが、今回中国の最高指導部が正式に軍の改革に着手したことの原点だと思われる。

中国軍改革の二大焦点は
党による権力掌握と軍体制の近代化

 中央軍事委員会改革活動会議が11月24~26日に北京で開かれ、その後、新華社通信の報道は4200字にわたって習近平の「改革強軍(改革を通じて軍隊を強化する)戦略」を全面的に論じた。

 「2020年までに指導管理体制、統合作戦指揮体制改革において飛躍的な進展を遂げる」というのが全文の主旨である。「指導管理体制」と「統合作戦指揮体制」は今回の中国軍改革の二大核心的目標である。その他の面での改革目標は、基本的にこの二大目標に従っている。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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世界第2位の経済大国になった中国は、依然として猛烈なスピードで変化している。一方、中国にはウェブ系も含めると、何千というメディアが存在し、情報が溢れかえっている。北京在住の経済ジャーナリスト・陳言氏が玉石混交の情報の中から、中国の対外関係、多国籍企業、技術革新、中国の経済政策など日本経済や日本企業に影響を及ぼす情報を選りすぐり解説する。そこからは日本のメディアが伝える中国とは、違った姿が見えてくる。

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