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実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

逆玉のはずが守銭奴一家に搾取され30年!
遺産ゼロで絶縁を選んだ56歳夫(上)

露木幸彦 [露木行政書士事務所代表]
【第19回】 2015年12月19日
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靴下に穴が開いたから新しい靴下を買いたい、会社の飲み会に参加したい、そして親戚の子にお年玉をあげたい……ちょっとした入用があるたびに夫は妻に頭を下げなければならなかった

 「父親の遺産相続のせいで娘夫婦が熟年離婚」

 父親の目の黒いうちは、娘夫婦はまるで切れそうで切れない糸のように、どうにかこうにか夫婦の形を維持してきたのに、父親がいなくなった途端、緊張の糸がプッツリと切れてしまい、とうとう離婚を突きつけてしまった……本来、離婚は夫婦だけの問題であり、親の存在は直接、関係なさそうですが、本当に「親は親」「子は子」なのでしょうか?父親の遺産の分け前をめぐって娘夫婦の関係がおかしくなり、残念ながら、もはや離婚を避けられなくなるケースも世の中には一定数、存在するのですが、今回は私のところの相談実例をご紹介しましょう。

 向井理さん主演のテレビ朝日系のドラマ「遺産争族」が一昨日、最終回を迎えましたね。ドラマのなかでも父親(伊東四朗さん)の遺産をめぐって、長女(余貴美子さん)と長女の婿(岸部一徳さん)が離婚の危機を迎えたのですが、題名の通り、相続は一歩間違えると「争族」になりかねません。向井さんも岸部さんも資産家の家に婿入りしたという意味では逆玉(玉の輿の逆パターン)なのですが、実家の家で同居すれば住居は確保でき、そして実家の資産を運用すれば生活費は保証され、さらに親が亡くなれば実家の遺産を自由に使うことができる……もちろん、人間関係の面では苦労するでしょうが、その代わりに少なくともお金の面では一生安泰。世間一般的にはそう思われがちですが、本当に『婿入り=悠々自適』なのでしょうか?

「正直者がバカを見る」を
地で行く悲惨な男性

 今回紹介するケースでは「いずれ遺産をもらえる」という前提で婿入りから30年間、給料の全額(月3万円の小遣い以外)を実家に渡し続けてきたのに、結局、相続時に一銭ももらえず(返してもらえず)妻との離婚を決断した、まさに「正直者がバカを見る」を地で行く悲惨な男性の話です。夫は財産目当てで結婚したわけではないのに、どうやら義理の両親や妻は財産をちらつかせて夫をこき使ったようなのです。

親:遺産をエサにすれば、どれだけ勝手気ままに振る舞っても、どうせ婿は逆らえないだろう
娘:「パパの遺産」をダシにすれば、どんなに無理難題を押し付けても、どうせ夫は言い返せないだろう
婿:お義父さんのおかげで今の自分があるのだから、最後まで誠心誠意、尽くしたい

 相続の場面には数多くの登場人物が登場しますが、このように親、娘、婿だけを切り取っても、それぞれの思惑は上記の通り、三者三様なのです。だからこそ、「親の死」をきっかけに長年、隠してきた「腹黒さ」が前面に顔を出すのも自明の理でしょう。では、具体的な相談内容を順番に見ていきましょう。

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露木幸彦[露木行政書士事務所代表]

つゆき・ゆきひこ/行政書士、フィナンシャルプランナー。1980年生まれ。国学院大学卒。男性の離婚相談に特化した行政書士事務所を開業し、開業から6年間で有料相談件数7000件、法律文書作成900件を達成。公式サイトは1日訪問者3300人、会員数は1万3000人と、業界では最大規模にまで成長させる。2008年よりドコモ、au、ソフトバンクの公式サイトで法律監修を担当。四半期に一度、大相談会を開催している。主な著書に『結婚貧乏~結婚してはいけない人を避ける方法』(中央公論新社)、『離婚のことばハンドブック~今すぐ解決したい人のキーワード152』(小学館)、『男のための最強離婚術』『男の離婚 賢く有利に別れるための6つの成功法則』(共にメタモル出版)などがある


実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

昨今の離婚事情は複雑化している。夫が借金、浮気、暴力を繰り返して妻に愛想を尽かされるという「昭和型離婚」ばかりでなく、足もとでは「草食系離婚」も急増している。妻が多重債務、不倫、ヒステリーなどを繰り返し、真面目で優しい夫がそれに絶えられなくなって離婚を決意するというパターンだ。そうしたなか、離婚トラブルで悩み悶える男性が増えている。一度離婚トラブルに発展すると、男性は多くの精神的・物理的な負担を強いられる。到底納得できない理不尽な離婚トラブルに意図せず巻き込まれた場合に備えて、普段から対処法を考えておくことは必要だ。「男性の離婚相談」に特化し、数多くの相談実績を誇る行政書士の露木幸彦氏が、毎回実例を挙げながら、男性が陥り易い離婚トラブルへの対処法を指南する。読まずに泣くか、読んで笑うか――。現在離婚トラブルで悩んでいる人もそうでない人も、「他人事ではない男の離婚」について考えるための参考にしてほしい。

「実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦」

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