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実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

逆玉のはずが守銭奴一家に搾取され30年!
遺産ゼロで絶縁を選んだ56歳夫(下)

露木幸彦 [露木行政書士事務所代表]
【第19回】 2015年12月19日
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>>(上)より続く

 修さんは思わず、声を荒らげてしまったそうですが、修さんが怒りの感情を露にするのも無理はありませんでした。修さんは「長女の夫」として、かろうじて義父の納棺、通夜、葬儀、四十九日など最低限の法要には参加することが許されたのですが、肝心要の「遺産協議」の場に呼ばれることはなく、すでに義父の逝去から10ヵ月が経過しようとしていました。もちろん、修さんは「長女の夫」として遺産協議の場で意見を言うつもりでいました。

 何しろ修さんは「この日」のために耐えがたきを絶え、忍びがたきを忍んできたのです。

 「どうなっているんだ?」修さんが妻に尋ねても、妻は「そのうち」「時期を見て」「みんなの都合もあるから」と煮え切らない返事を繰り返していたのですが、修さんは業を煮やして義妹(次女の高島文子)に連絡を取り、直接会いに行ったのです。

 「これを見てください。これがお父さんの遺志ですよ。何か文句はありますか?」

 そこで妹が修さんに対して突きつけてきたのは戸籍謄本のコピーでした。修さんが謄本をよくよく見ると、すでに義父の名前には×がついており、義父の近くに妻、次女の名前が書かれていたのですが、どこをどう見ても修さんの名前は見当たらなかったのです。左から右へ、上から下へ、修さんは自分の目を何往復させてもダメでした。

 「そんなはずはない!」

 修さんは当然のように自分の名前が「養子」として書かれているものだと思い込んでいました。どうやら義父は婿である修さんと養子縁組をしていなかったのです。

信用していた義父と口約束
それを証明するものがなく…

 さらに残酷な現実が修さんに追い討ちをかけてきました。修さんが30年間、「生きがい」にしてきた遺産協議はすでに行われており、遺産の名義変更など各種の手続は完了していたのです。具体的には母が2分の1、妻が4分の1、義妹が4分の1という具合で財産を割り振ったそうで、そこに修さんの名前はありませんでした。

 「僕だって高島家の人間ですよ。もし僕がお父さんの養子ではないとしても、財産をもらう権利はあるはず!今まで散々、尽くしてきたじゃないですか?こんな非礼なやり方、通用すると思っているんですか?」

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露木幸彦[露木行政書士事務所代表]

つゆき・ゆきひこ/行政書士、フィナンシャルプランナー。1980年生まれ。国学院大学卒。男性の離婚相談に特化した行政書士事務所を開業し、開業から6年間で有料相談件数7000件、法律文書作成900件を達成。公式サイトは1日訪問者3300人、会員数は1万3000人と、業界では最大規模にまで成長させる。2008年よりドコモ、au、ソフトバンクの公式サイトで法律監修を担当。四半期に一度、大相談会を開催している。主な著書に『結婚貧乏~結婚してはいけない人を避ける方法』(中央公論新社)、『離婚のことばハンドブック~今すぐ解決したい人のキーワード152』(小学館)、『男のための最強離婚術』『男の離婚 賢く有利に別れるための6つの成功法則』(共にメタモル出版)などがある


実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

昨今の離婚事情は複雑化している。夫が借金、浮気、暴力を繰り返して妻に愛想を尽かされるという「昭和型離婚」ばかりでなく、足もとでは「草食系離婚」も急増している。妻が多重債務、不倫、ヒステリーなどを繰り返し、真面目で優しい夫がそれに絶えられなくなって離婚を決意するというパターンだ。そうしたなか、離婚トラブルで悩み悶える男性が増えている。一度離婚トラブルに発展すると、男性は多くの精神的・物理的な負担を強いられる。到底納得できない理不尽な離婚トラブルに意図せず巻き込まれた場合に備えて、普段から対処法を考えておくことは必要だ。「男性の離婚相談」に特化し、数多くの相談実績を誇る行政書士の露木幸彦氏が、毎回実例を挙げながら、男性が陥り易い離婚トラブルへの対処法を指南する。読まずに泣くか、読んで笑うか――。現在離婚トラブルで悩んでいる人もそうでない人も、「他人事ではない男の離婚」について考えるための参考にしてほしい。

「実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦」

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