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あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか
【第45回】 2015年12月25日
著者・コラム紹介バックナンバー
津田 久資

東大卒で出世する人、しない人…
どこが違うのか?
――鈴木寛×津田久資対談【最終回】

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6刷まで版を重ね、電子版も合わせ3.4万部の売れ行きを見せている『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか 論理思考のシンプルな本質』。

ダイヤモンド・オンラインの好評連載「混沌社会を生き抜くためのインテリジェンス」でもおなじみの「スズカン」こと鈴木寛・文部科学大臣補佐官との対談との対談も、いよいよクライマックス!!

「灘中→灘高→東大法学部」の先輩・後輩である2人のトークは「思考力の磨き方」としての「書く習慣」「教える習慣」…さらには「笑いや演劇」へと展開していく。(最終回/全3回)

(構成 高関進/写真 宇佐見利明/聞き手 藤田悠)


◆大好評!これまでの連載◆

灘高エリート教育の秘密は「幾何と国語」にあった!!
――鈴木寛 × 津田久資 対談【第1回】

「私大文系」入試がマニュアル人間を生み出す!?
――鈴木寛 × 津田久資 対談【第2回】


 

人間から思考力を奪うには
「選択式」「マークシート方式」が一番

——ここまで、「考える野蛮人」がロールモデルだという灘中・灘高の教育のお話、あまりに瑣末な知識を問う難問・奇問を入試に出す大学の問題などについて、いろいろとお話をお伺いしてきました。

そこから抜け出すために、個人レベルで、また、教育の現場レベルでは、どのような取り組みが必要でしょうか?

鈴木 寛(すずき・かん)[文部科学大臣補佐官・東京大学・慶応義塾大学教授]
1964年生まれ。灘中→灘高→東京大学法学部卒業後、86年通産省入省。2001年参議院議員初当選(東京都)。民主党政権では文部科学副大臣を2期務めるなど、教育、医療、スポーツ・文化を中心に活動。党憲法調査会事務局長、参議院憲法審査会幹事などを歴任。13年7月の参院選で落選。同年11月、民主党離党。14年から国立・私立大の正規教員を兼任するクロス・アポイントメント第1号として東京大学、慶応義塾大学の教授に就任。同年、日本サッカー協会理事。15年2月から現職。
著書に『熟議のススメ』(講談社)などがある。

【鈴木寛(以下、鈴木)】「考える」より「学ぶ・覚える」が中心になった元凶は、1979年に導入されたマークシート方式だと考えています。人間から思考力を奪いたければマークシートが一番ですね。それがだんだん普及していって、1990年にセンター試験になって、私大も参画して……今日に至るというわけですね。

【津田久資(以下、津田)】「文章を書けない人」でも大学に入れるようになった、と。

【鈴木】ええ、その頃から日本人は考えなくなったんじゃないかと私は思っています。やはり記述式の試験というのは、相当な知的エネルギーを要します。「ものを書く」というのはすごく重要なことなんです。

だから私たちが注力している入試改革のカギは、「どれだけマルチプルチョイス(多肢選択法)の比率を下げて、記述式を増やせるか」なんですよ。

【津田】その代わり、採点する側も大変になりますね……。

【鈴木】おっしゃるとおり。いまは教員のほうもマークシートとか選択式の環境の中で育ってきていますので、なかなか難しい部分はあります。ただ、これまでこの悪循環を35年続けてきて、「考えない日本人」を量産し続けてきたわけですから、これを改めるのはそう簡単なことではないと思っています。

津田久資(つだ ひさし)東京大学法学部、および、カリフォルニア大学バークレー校経営大学院(MBA)卒業。
博報堂、ボストン コンサルティング グループなどで一貫して新商品開発、ブランディングを含むマーケティング戦略の立案・実行にあたる。
現在、AUGUST-A株式会社代表として、各社のコンサルティング業務に従事。また、アカデミーヒルズや大手企業内の研修において、論理思考・戦略思考の講座を多数担当。表層的なツール解説に終始することなく、ごくシンプルな言葉で思考の本質に迫る研修スタイルに定評があり、のべ1万人以上の指導実績を持つ。
著書に『あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか』『世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業』などがある。

【津田】そのためにはまず「書く」習慣ですよね。いや、ホントに社会人に文章を書かせるとひどいですよ。逆接の接続詞だとか接続助詞が入っているのに、まったく逆接になっていなかったりとか。

【鈴木】そう、まずは書くことですよ。文章を書くと、自分の考えのあやふやなところに気づけるし、まさに書き分けられるようになりますから。

高校生にはひたすら文章を書く練習をしてほしいですね。そのためには、もっと学術書をしっかり分量読まなければダメです。クイズ番組みたいな難問・奇問に答えるために勉強するなんてつまらない。

かつての旧制高校の生徒たちのように「デカンショ(デカルト、カント、ショーペンハウアー)」みたいな難解な哲学書をわからなくても読んで友人と議論したり、自分なりの考えを書き留めるといった経験が、15歳から18歳くらいには必要なんですよ。

【津田】そうですよね。昔はみんな寮生活でしたから、理系も文系も関係なく同級生や先輩後輩と話をしていた。

【鈴木】そう、みんなで議論をしたと思うんですよ。そこでも、やはり基本になるのは「言葉と幾何」です。

【津田】そうですね。研修なんかでも「考えるとは書くことだ」と何度も伝えているんですが、一方で「そもそも自分で正しい文章が書けているのか自体が判断できないんです…」という人もいます。なぜそんなことになってしまうかというと、そもそも頭の中に「正しい文章」が入ってないから。

【鈴木】読書してないからでしょうね。

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津田 久資

1958年生まれ。東京大学法学部およびカリフォルニア大学バークレー校経営大学院(MBA)卒業。博報堂、ボストン コンサルティング グループ、チューリッヒ保険で一貫して新商品開発、ブランディングを含むマーケティング戦略の立案・実行にあたる。 現在、AUGUST-A㈱代表として、各社のコンサルティング業務に従事。 また、アカデミーヒルズや大手企業内の研修において、論理思考・戦略思考の講座を多数担当。表層的なツール解説に終始することなく、ごくシンプルな言葉を使いながら、思考の本質に迫っていく研修スタイルに定評があり、のべ1万人以上の指導実績を持つ。 著書に、就活面接本の超定番書『ロジカル面接術』(WAC)のほか、『世界一わかりやすいロジカルシンキングの授業』(KADOKAWA)、『出来る人ほど情報収集はしないもの!』(WAC)、『超MBA式ロジカル問題解決』などがある。


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【BCG・博報堂で考えた 勝ち続ける発想力】アカデミーヒルズや大手企業向け研修で「論理思考」を1万人以上に教えてきた津田氏は「いまや学歴エリートが容易に敗北する時代になった」と語る。では、ビジネスで勝てる人はどのように考えているのか? ライバルよりも優れたアイデアを素速く発想するための「論理思考の本質」に迫る。

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