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エコカー大戦争!

やっぱりそうだったのかアメリカ人!?
病み上がりのトヨタを悩ませる
大型車人気とエコカー伸び悩みの視界不良

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第47回】 2010年6月22日
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 「北米自動車市場は回復基調が鮮明になった」。

 2010年6月2日~3日にかけて、日米欧の大手メディアは2010年5月の北米各社の販売実績発表を受けてこう報じた。同時に「トヨタ苦戦」とも報じた。

 デトロイト3(旧ビッグ3/GM、フォード、クライスラー)や日系各社が前年同月比で+20~30%となったなかで、トヨタブランド(レクサス、サイオン除く)が-1.9%となったことを「トヨタ未だ苦戦」と判断したのだ。果たして、北米市場は本当に回復しているのか。トヨタは本当に「まだ苦戦」しているのだろうか。

プリウスが日本でバカ売れし
アメリカでは伸び悩むのはなぜ

日本では考えられないプリウスの豊富な在庫。

 まずは、トヨタのシンボル的存在である「プリウス」、そしてハイブリッド車全般の北米実情に着目してみる。

 同年6月6日(日)の昼過ぎ、テキサス州ダラス郊外のトヨタディーラー。正面入り口のゲートは閉ざされている。だが、同敷地内には数人のひと影。彼らは一般のお客だ。ゲートを乗り越えて、入ってきたのだろう。そのなかで、60代後半か70代と思しき夫婦がしきりに「プリウス」を見ている。20台ほどの「プリウス」が並び、それらのフロントガラスには「$1000ディスカウント!」、「2.9%・60ヵ月」と、ふき取り可能な太字のカラーマジックでジカ書きされている。

 同ディーラーのウエブサイトによると、同店舗での在庫は29台。外装色も様々あり、選り取りみどり。「プリウス」納車まで3ヵ月待ちといわれている日本の実情とは大きく違う。

 オプション装備などを既に組み込んだ状態での「ディーラー買取り/実車売り」が基本のアメリカ。29台の在庫のうち、最安値は2万4504ドル(1ドル91円換算で約223万円)、最高値は3万4634ドル(約315万円)、中心価格は2万9000ドル~3万1000ドル(264万円~282万円)だ。

 アメリカ自動車業界の常識にならい「プリウス」でも、2万2800ドル(約208万円)のMSRP(Manufacture's Suggested Retail Price/メーカー希望小売価格)と、店頭での「実車販売価格」との差は大きい。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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