1年間に、家族みんなが購入したスイッチOTC医薬品が1万2000円を超えた場合に、その超えた金額を課税所得から差し引けて、すでに納めた所得税との差額が戻ってくる。

 たとえば、1年間のスイッチOTC薬の購入代金が3万円だった場合、控除額は1万8000円。還付金の目安は、所得税率が10%の人だと1800円、20%の人だと3600円。家族のうち、誰が申告してもいいので、収入が高く、所得税率の高い人が申告したほうが、還付金が多くなるのが一般的だ。

 申告には領収書が必要なので、控除に備えて、今から薬局で購入した市販薬の領収書は、封筒やファイルなどに保存しておくといいだろう。

 ただし、控除を受けられるのは、1万2000円を超えた分の薬代なので、1万2000円を少しだけ超えただけでは、ほとんど税金は戻らない。また、スイッチOTC薬控除を受けると、従来の医療費控除は利用できなくなり、どちらか一方の控除しか受けられない。

 スイッチOTC薬控除は、病院や診療所の利用が少ない家庭の税金を優遇することを目的に作られたものなので、出産したり、長期入院したりして、医療費が10万円を超えるようなケースでは、従来の医療費控除を利用するほうがおトクだ。

 通常の医療費控除でも、薬局で購入した医薬品は控除対象となるので、こちらでまとめて申告しよう。

制度導入の目的は
国民医療費の削減

 このように、来年からは病院や診療所に行かずに、薬局で薬を購入することが多いという人も、医療費控除の特例を受けられる可能性がある。

 だが、そもそも、国民皆保険が整備されている日本で、年間1万2000円を越えるスイッチOTC医薬品を購入する人は少ないはずだ。それなのに、なぜ、国はこのような制度を作ったのだろうか。

 それは、日本の社会保障費が大きく関係している。

 医療の高度化に加えて、高齢化などの影響もあり、日本の医療費は年々増加している。2013年度は、前年比2.2%増の40兆610億円。この傾向は今後も続き、団塊の世代が75歳以上になる2025年には53.3兆円になると予測されている。