ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

必要なのは援助ではなくビジネス
最貧国バングラデシュでバッグ生産を立ち上げた
マザーハウス・山口絵理子のしなやかな執念(下)

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第18回】 2010年6月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

前回は山口の社会起業家的な側面にスポットを当てたが、今回はその経営者としての側面に焦点を当てる。「企業の役割は雇用を提供すること」と語る山口だが、それは利益をあげなくてもよいということではない。利益をあげなければ、マザーハウスを大きくすることはできず、より多くの人を雇用することもできない。

“正しい“バッグ屋をどう立ち上げるかを
必死で考えている会社です

山口代表:私たちの理念にそった形で、利益を最大化する努力って、やっぱりやっていて、数字に対する執念みたいなものは非常に強いです。なぜかというと、副社長の山崎はゴールドマンサックスを経てから、うちに来た。私がどちらかというとデザインとか商品開発とかをやって、彼は数字をきちんと管理している。ムダとか非効率をどれだけカットして、スムーズな形で利益を出していくか、というところをみています。

 大企業と同じ様におカネがあるわけではないので、やっぱりベンチャーならではの戦い方があるんじゃないかというスタンスの人材が、集まっています。過去にバッグを売っていた人って、一人もいないんですよね、前職はIT、コンサルタント、外食産業などなど、いろんな業界から集まった若い人たちが、どうやったらこのご時世で、正しいバッグ屋が立ち上がるかを必死で考えている会社です。

山口は外から「社会起業家」とレッテルをはられることには、少々、違和感があるようだ。だから、「バランス」という言葉を何度も口にする。人を採用する場合も、その視点を、大切にしている。

 (東京の)下町の入谷に、出店コストを普通の何分の一にしようと、こうやって手作りのお店を出して、お客様に来てもらおうというアプローチをしながら、新宿の百貨店やそのほかに路面店を出しつつも、経営のバランスというのはすごく考えている。社会起業家といわれながらもやっぱり、数字、数字、数字って、つめる場面もたくさんある。そのバランス感覚がマザーハウスでは、一番重要だと思っているんです。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

世界同時不況で電機・自動車など日本のビッグビジネスが軒並み崩れる中、しぶとく踏み止まる中堅企業がある。経営学の教科書からは学べない「逆境の経営道」をトップへのロングインタビューで探る。

「原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道」

⇒バックナンバー一覧