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金融市場異論百出

日本一ラーメン店の経営戦略
「地方創生」のヒントここにあり

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2016年1月22日
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 ラーメンを外食で最も食べている県庁所在地はどこかご存じだろうか。

琴平荘での食事風景。大広間で日本海の荒波を目にしながらラーメンをすするというのは、旅館ならではの光景だろう Photo by Izuru Kato

 家計調査(総務省)における県庁所在地の1世帯当たり外食ラーメン支出額ランキング(2012~14年平均)を見ると、1位は山形市の年間1万3400円である。ちなみに全国平均は5500円だ。

 筆者の故郷は山形県鶴岡市なのだが、そこもラーメン好きが多い。ただし、新規参入店も多く競争は激しい。その激戦区で高い人気を集めているのが、日本海沿いの三瀬にある琴平荘である。

 旅館なので食事の場所は日本海の荒波が眺められる大広間だ(写真)。広いスペースだが、それでも1~2時間待ちはざら。多い日には1日に500人も来る。営業期間は10月から5月だが、その間に数十回来る常連もいる。駐車場には県外ナンバーも見える。

 人気は全国に広がっており、冷凍ラーメンの通販サイトである宅麺.comの売り上げ個数で、琴平荘は13、14年と連続して総合大賞、15年はラーメン部門で大賞を授賞。また、コンビニのサークルKサンクスが12年秋に琴平荘のカップ麺を限定発売したところ、最速で10万個を売り上げたという。昨年の再発売でも早々に完売となった。

 実は琴平荘の社長、掛神淳氏は筆者の小学校、中学校の同窓生なのである。先日、彼のビジネス観を聞いてみようと旅館を訪ねた。

 掛神氏が琴平荘を継いだとき、彼は悩ましい問題に直面した。夏の三瀬は海水浴客が来るが、高速道路の整備で日帰り客が増えた。冬季の売り上げを伸ばしたくとも三瀬には温泉がない。周辺には温泉を持つ大ホテルが多数あるが、それらも売り上げは少子高齢化で頭打ち気味。琴平荘が借金して改修を行っても回収は困難に見えた。

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