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築地関係者が怒りの公開質問状!
ずさん極まる豊洲新市場の帯水層調査

池上正樹 [ジャーナリスト]
2016年2月24日
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「東京都は何をしているのか?」
突き付けられた膨大な公開質問状

今年11月、豊洲への移転が決まった築地市場の関係者は、怒りを隠さない。課題山積の状況で東京都が推し進める移転計画には無理があるというのだ

 「本当に何とかしてくれよ!」

 「このままでは、東京中の飲食店で食材が届かない事態が続発するのは間違いないよ!」

 今年11月の豊洲新市場(東京都江東区)の開場まで、あと8ヵ月あまりまで迫ったというのに、築地の“魚屋”たちの不安や怒りは一向に収まることがない。それどころか、土壌汚染対策法上で定められた「帯水層(地下水を含んでいる地層)の底面調査」を行っていないのに「調査や対策が完了した」かのように“偽装”していた疑いが浮上するなど、新たな問題が続々と出てきている。

 筆者は、築地市場の仲卸業者ら140人が参加して、「なぜ11月開場なのか?」などと口々に怒る「より良い市場を築くつどい」の様子を、昨年末にダイヤモンド・オンラインに寄稿した記事『築地移転まで1年弱でも鳴り止まない仲卸業者の怒号』の中で紹介した。

 そして今月22日には、築地市場の関係者や消費者団体などでつくる「守ろう!築地市場パレード実行委員会」が、東京都の舛添都知事宛てに、なんと33項目にわたって疑問を連ねた膨大な公開質問状を手渡したのだ。

 疑問の中身も、豊洲市場用地での土壌汚染問題から、護岸に設置する濾過海水施設、交通アクセス、施設設計の床積載荷重、東京オリンピックに関するものまで多岐にわたる。

「新店舗は狭くて商売できない」などと都庁記者クラブで説明する築地の仲卸業者ら(2月22日)

 中でも、新たに明らかになったのが、新市場用地において、概況調査でベンゼンが検出され、土壌汚染対策法で規定された「帯水層の底面調査」を行わなければならなかったにもかかわらず、300を超える区画で底面調査が行われずに「汚染区域の指定」から外れた問題だ。都の中央卸売市場は、ホームページ上で、<豊洲新市場予定地については、法令で求められる水準を上回る手厚い内容の対策をとる>と説明してきた。

 会見した同実行委員会メンバーで一級建築士の水谷和子氏によると、「発がん性物質であるベンゼンの汚染が調査されていない333区画中、305区画について、都は最初から汚染のない区画として振り分け、土壌汚染対策法上の指定の申請を行ったこと」「指定の申請時に添付された状況調査報告書は、指定検査機関の作成したものであるが、ベンゼン305区画を不適合区画から外し、虚偽記載を行ったこと」「都の環境局は、指定の審査を怠り、(もしくは故意に)状況調査報告書の虚偽記載に対し、是正指示を行わないまま、都知事名で区域指定を行ったこと」「これら一連の不正は都と指定調査機関の合作であること」が明らかになったとしている。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


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