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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

外部パートナーを「下請け」扱いする会社で新しいアイデアは生まれない

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第37回】 2016年2月29日
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最近は、外部ブレーンと社内メンバーが一緒に企業の課題に取り組むことが増えている

 学校を卒業して会社(リクルート)に入ってしばらくたったころ、先輩から、

 「“外部ブレーンさん”に意見をもらうといいよ」

 と言われた。

 外部ブレーンさん? なんだそれ? と首を傾げた人も多いと思う。入社したばかりだった私も、同じように感じた。

 「外部ブレーン」とは、リクルート固有の呼び名ではない。「外部ブレーン 募集」などのワードで検索すると、たくさんのページを見ることができる。狭義の「外部ブレーン」とは、具体的にはライターやデザイナー、プランナー、カメラマンなど、フリーランスで働く人たちのことだ。広義には、印刷会社や調査会社の社員、コンサルタント、ファイナンシャルアドバイザー、弁護士など、共同してプロジェクト運営に携わってくれる人のことを言う。たとえば雑誌やWEBメディアが世に出す編集記事や広告は、実際には様々な知見と経験を持った社外の「外部ブレーンさん」に助けられて制作されている。

 彼ら・彼女らとの関係は、「企業側が仕事を発注して、労働力と知恵を提供してもらう」という、お金の流れだけで言えば「元請け」と「下請け」だ。しかし、仕事上の関係性を考えると、単純にそうとも言い切れない。逆に、彼らがものすごい「先生」で、企業側が「生徒」として教えを乞うているわけでもない。彼らは、専門性を持ってプロジェクトに参加してくれている「仲間」のような存在だ。あえて呼ぶなら「横請け」の関係だろう。お金のやり取りがあるからと言って、上下関係のようなものはあまりないからだ。

企業と外部パートナーの関係は
「元請けと下請け」or「先生と生徒」?

 しかし、このような関係性の外部パートナーを持つ仕事のやり方は、特殊な部類に入るのだろう。私はたまたま「外部ブレーンさん」と仕事をする環境で育ったものの、いざ自分が「外部」の立場になってみると、多くの企業が「元請けと下請け」もしくは「先生と生徒」という上下モデルしか持っていないことに驚かされる。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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