料金は月額5.5万円
プログラミング不要の簡単な設定

 利用企業側のメリットの分かりやすさも、Pepper導入が広がっている理由だろう。Pepperはレンタル契約での提供で、利用料金は月額5.5万円(契約期間36カ月)。購入する必要がないので、投資リスクを抑えることができる。

ソフトバンク
法人事業開発本部
事業推進統括部 統括部長
弓掛正史氏

「企業にとって敷居の低い料金設定に加えて、設定も容易です。プログラミングは不要。Web画面を通じて簡単に設定することができます」と弓掛氏は語る。利用企業にとっては、充実したサポートも重要なポイントだろう。Pepper for Bizでは法人向け専用の電話/Webサポート体制を構築。また、トラブルに対応するために、交換機の無償提供も行っている。

 先に集客効果につながる導入事例を中心に紹介したが、Pepperはそれ以外にもさまざまな効果をもたらしている。

 みずほ銀行が10店舗に導入したPepperは、金融商品を勧めた顧客の10%以上をカウンターに送客している。加えて、おみくじや金融小噺などの楽しめるコンテンツも用意されており、窓口での“体感待ち時間”の短縮にも貢献している。

 ネスレ日本は家電量販店など全国150店舗に設置したPepperに、コーヒーマシンの販売スタッフ役を与えている。高い集客効果を発揮し、売上15%増を記録。同社は最終的にPepper導入台数を1000台以上に増やす方針だ。

「従来の接客にはいくつかの課題がありました。来店者の属性情報が可視化されていない、スタッフの接客スキルや商品知識にバラツキがある、現場のトレーニングに手間と時間がかかるといったものです。こうした課題をPepperで解決することができます。例えば、新しい商品知識が必要になれば、ネットワーク経由で各現場のPepperに一気に送信することが可能。また、お客さまの属性や反応などについて、Pepperの収集するデータを基に可視化・分析することもできます」(弓掛氏)