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金融のプロフェッショナルIFA(インディペンデント・フィナンシャル・アドバイザー)に聞くお金の教室
【第5回】 2016年3月10日
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長壁かおり [株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル取締役]

長期運用で頼れるパートナーはどこにいる?
お金の「ホームドクター」の探し方

IFA(インディペンデント・ファイナンシャル・アドバイザー/独立系金融アドバイザー)に聞く、お金の新常識。今日はIFAとして活動している長壁かおりさん(株式会社アイ・パートナーズ フィナンシャル取締役)が、資産運用のアドバイザー選びについて解説します。

資産運用のよくある悩み

 最近、このような声を聞きました。
 Aさん:「マイナス金利、と聞いてさすがに何か運用を始めようと思うけれど、どこで、誰に相談し、何を選べばいいのかさっぱりわかりません」

 みなさんのなかにも、Aさんと同じような悩みを持っている方がいらっしゃると思います。
 「運用を始めようとは思っているけれど、どこに行けばいいのかわからない」
 「とりあえず、銀行の口座はあるけれど、何を選んだらいいのかわからず、何もしていない」 
「誰に相談したらいいのかもわからない」
 などです。

 経済の勉強がとても好きで、インターネット証券などを利用して、自分で研究して運用するぞ! などという方は、ごくまれでしょう。
 多くの方は、自分の仕事や、家事育児で忙しく、運用の研究をする時間が取れないのではないでしょうか。
 運用について研究ができないから、誰かに相談をしたい。でも、誰に相談したらいいのかわからない。
 そういうお悩みも多いと思います。

「アドバイザー」といっても様々

長壁かおり(おさかべ・かおり) 1974年生まれ。立教女学院短期大学幼児教育学部卒業後、某百貨店に入社。好きなことを仕事にするより、「一番嫌いなことを仕事にすれば、一回り成長するのでは」と考え、経済が嫌いという理由で平成8年に証券会社へ転職。平成13年、日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)へ移籍。平成18年、特定の金融機関に属さない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)となる。平成21年2月、(株)アイ・パートナーズフィナンシャルに入社し、現在に至る。    会社URL http://aip-financial.com/

 運用は、1年や2年で終了するものではありません。自分の退職後のために運用を、という場合、10年単位の話になります。
 また、ご退職され、退職金をもらっても、その後20年、もしくは30年も退職金を運用していく期間のあるような、超高齢化社会です。

 それなのに、相談にのってくれるアドバイザーが、相談するたびに変わってしまったら、どうでしょう?

 運用を始めるには、証券会社や銀行、郵便局など、金融機関に口座を開くことから始めるわけですが、その金融機関で自分の相談にのってくれたアドバイザーに、「これから先ずっと、あなたに相談をしていけるのですか?」と聞いてみてください。
 おそらく、担当者は言葉に詰まるはずです。

 彼らのほとんどは、3年程度で転勤になってしまいます。
 たまたま、「転勤なんてしません、一生、Aさんの相談に乗らせていただきます!」なんていうアドバイザーを見つけられたら、ラッキーです。
 そして、なんのノルマも持たず、お客様のことを考え、中立的な立場でアドバイスをしてくれるアドバイザーに出会ったら、それはそれはラッキーです。

 ですが、特定の金融機関に属している限り、みんな会社のノルマを抱えていると考えるべきです。彼らは、ノルマを課されている投資商品を、Aさんのニーズに合っているかのようにセールスしてくるプロなのです。

本来なら、アドバイザーは、Aさんのニーズにあっているものを探し、提案してくれる存在であるべきです。しかし、「特定の商品を○○万円分、販売しなければならない」というノルマがあると、Aさんのニーズは二の次になってしまいます。

アドバイザーが変わることは、
資産運用では余計な障害

 そこで知っていただきたい存在が「IFA」です。
IFA(Independent Financial Adviser/独立系金融アドバイザー)は、特定の金融機関に属していない、独立、中立の立場のアドバイザーです。Aさんのニーズに合っているものを探し、提案し、管理していきます。私もIFAの一人です。

 Aさんは、マイナス金利がきっかけで運用を始めようと思い立ったということですが、3年後、5年後、10年後、どんな経済環境になっているのかわかりませんし、Aさん自身もどうなっているかわかりません。

 今、決めたものが、3年後、5年後にも果たしてAさんにとってベストなものであり続けるのか、そうではなくなっている可能性もあります。
 そう考えると、適切な時に適切なアドバイスができるよう、マーケットの動向やAさんの運用を、長期にわたって見守っていくことが、アドバイザーに求められている役割なのではないでしょうか。

アドバイザーが頻繁に変わることは、資産運用にとって余計な障害になりかねません。

 その点、IFAには転勤がありませんから、お客様との関係は長いものになります。
 私のお客様は、長いお付き合いの方で18年目になりました。
 最初にお会いした時には、お客様は会社を退職されたばかりで、退職金の運用の相談に乗らせていただきました。
 18年の間には、リーマンショックもありました。ですが、長いお付き合いが信頼関係を生み、日頃からのコミュニケーションがありましたので、お客様も動揺することなく、無事乗り切ることができました。
 アドバイザーとしての信頼がなければ、お客様は、慌てて売ってしまったかもしれません。

 資産運用の成績は、何で運用するかも大事ですが、信頼できるアドバイザーがいるかいないかでも、大きく変わります。

 ちなみに、私たちIFAは、証券会社などと業務委託契約を結び、みなさんの資産運用を行います。金銭や有価証券の受け渡しは証券会社が行いますから、安心していただけると思います。

金融資産のホームドクターとして

本記事の長壁かおりさんも登場。IFAに相談したい人、IFAになりたい人の必読書。『証券営業プロフェッショナル 会社のためのセールスから、お客様のためのサービスへ』(ダイヤモンド社)

 ということで、冒頭のAさんの質問への答えですが、私は「IFAに相談する」ことをおすすめします。
 IFAは、たとえば楽天証券の「契約IFA法人一覧」などを参考にされ、探されるのがよいと思います。

 私は、お客様のご自宅に訪問し、何時間も世間話を交えながら打ち解け、なんでも話していただける間柄になりたいと思うタイプです。
「友だちにも、家族にも相談できないことだけど、長壁さんにだけは話せる」と言って金融資産以外の相談もしていただけるのは、私にとって「IFAになってよかった」と思う瞬間です。

金融資産のホームドクターとして、と思ってIFAをしていますが、いつの間にか、奥様とご主人さまの仲をとりもつ存在にもなっていたりして…。
 IFAにもいろいろなタイプがいます。
 自分にあったアドバイザーを見つけられるといいと思います。

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長壁かおり [株式会社アイ・パートナーズフィナンシャル取締役]

1974年生まれ。立教女学院短期大学幼児教育学部卒業後、某百貨店に入社。好きなことを仕事にするより、「一番嫌いなことを仕事にすれば、一回り成長するのでは」と考え、経済が嫌いという理由で平成8年に証券会社へ転職。平成13年、日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)へ移籍。平成18年、特定の金融機関に属さない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFAとなる)。平成21年2月、(株)アイ・パートナーズフィナンシャルに入社し、現在に至る。
会社URL http://aip-financial.com/


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