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日本を元気にする経営学教室

変革はなぜ失敗するのか
―カンパニー制など3事例に見る失敗の構造―
神戸大学大学院経営学研究科教授 加登 豊

遠藤 功 [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長],加登 豊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],河野宏和 [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]
【第6回】 2010年7月20日
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 経営学の研究分野の一つに、変革のマネジメント(change process management)がある。この領域の研究は、経営戦略や人的資源管理などの領域とともに、数多く蓄積されている。数多くの研究が行われ、たくさんの書籍が出版されるということは、すこし皮肉な見方をするなら、いまだ、決定的な解決案が見出されていないということだ。戦略を立案し成功に導くこと、そして、人材を育成し適材適所に配置することが難しいように、変革を成功に導くことも難しい。

 さて、変革のマネジメントに関する研究から分かっていることは、以下の3つである。

(1)変革は、解凍(unfreeze)、変化(change)、再凍結(refreeze)というプロセスを経る(現状からの脱却を目指して行動を開始し、よりよい姿を求めて変革活動を展開し、いずれかの時点でその取り組みに一応の決着をつける、と言い換えてもよい)。
(2)変革は、上記のどの段階でも挫折する危険性に直面している、だから、
(3)変革は本当に難しい

 研究成果としてこれくらいのことしか分かっていないのかと失望されるかもしれないが、それほどに変革は難しいのである。もちろん、変革を忌避する人間の心理や抵抗するときの言動や行動には、どのようなものがあるかは解明されている。また、今回少し説明するが、変革が挫折する構造も既知である。もし、これらの研究成果に興味があるなら、経営学者に何を読めばよいかを尋ねればよいだろう。

 経営学者の知り合いがいないのであれば、ぜひとも友人の一人としてそのような人物を知っておいた方がよい。友人でなくても、研修講師、部下や上司が通っているビジネススクールの教授、blogやtwitterで情報発信している学者など、身近に経営学者はいるものである。

 しかし、経営の実践の場で必要な知識、つまり、「どのようにすれば変革を成功に導くことができるのか」という問いに対する処方箋は存在しない。ただ、失敗から学ぶことはたくさんある。以下では、そのいくつかを紹介しよう。

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遠藤 功(えんどう いさお) [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長]

1956年生れ。79年早稲田大学商学部卒業、三菱電機入社、米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。その後、米系戦略コンサルティング会社を経て、2008年から早稲田大学ビジネススクールのMBA/MOTプログラムディレクターとして、ビジネススクールの運営を統轄。また、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーの日本法人会長として、経営コンサルティングにも従事。『MBAオペレーション戦略』『現場力を鍛える』『見える化』など著書多数。

加登 豊(かと ゆたか) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1953年生れ。78年3月神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了、86年4月大阪府立大学経済学部助教授、94年1月神戸大学経営学部教授、99年4月神戸大学大学院経営学研究科教授、2008年4月~10年3月経営学研究科長・経営学部長。『インサイト管理会計』『インサイト原価計算』『ケースブック コストマネジメント』『管理会計入門』など著書多数。

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

河野 宏和(こうの ひろかず) [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]

1980年慶應義塾大学工学部卒業、82年同大学院工学研究科修士課程、87年博士課程修了、同年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、91年工学博士、91年助教授、98年教授となる。2009年10月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科委員長、慶應義塾大学ビジネス・スクール校長を務める。1991年7月より1年間、ハーバード大学ビジネス・スクールヘ留学。IEレビュー誌編集委員長、TPM優秀賞審査委員、日本経営工学会理事。


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国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入。にもかかわらず、日本企業には閉塞感が漂う。この閉塞感を突破するにはどうしたらよいのか。著名ビジネススクールの校長・元校長で、経営学のリーダーたちが、リレー形式で、問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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