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野球賭博は“勘違い”したままの一部選手が引き起こす

相沢光一 [スポーツライター]
【第388回】 2016年3月15日
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 プロ野球の開幕(25日)が近づきファンの期待感も高まりつつあった8日、それに水を差す事実が発覚した。巨人・高木京介投手の野球賭博関与である。

 昨年10月、巨人の3投手の野球賭博が明らかになり球団からは解雇、NPBからは無期失格の処分を受けた。この事実は球界を揺るがしファンには衝撃を与えたが、これで一件落着とはならず、まだ関与していた選手がいたわけだ。先の3投手とは異なり、高木京は一軍に定着。プロ4年目の昨季は中継ぎとして33試合に登板し1勝0敗、防御率2.20という好成績を残している。そんな選手まで野球賭博をしていたということがファンを驚かせた。

「験担ぎ」で金銭のやりとりも
一般常識とは異なる感覚に疑問

 また、14日付けのサンケイスポーツは、巨人の選手が一軍公式戦の勝敗をめぐって現金のやりとりをしていたことを報道している。昨年、野球賭博で失格処分を受けた笠原将生氏が取材に答えているもので詳細はこうだ。

 まず野手全員が、ひとり1000円ずつ出し合う。試合に勝った場合は試合前の円陣で声出しを行なった選手がご祝儀として、その総額を受け取るというものだ。次の試合も同じ選手が声出し役を担当。ひとりが出す金額も連勝だと3000円、3連勝だと5000円と上がっていく。ベンチ入りの野手の人数は17~18人程度。17人だとしても声出し役の選手は1勝で1万7000円、3連勝すれば8万5000円が入るわけだ。

 笠原氏によれば、これはあくまで「験担ぎ」。球団やNPBも、こうしたことが行われていた事実は把握していたが、野球協約が禁止する「敗退行為」とは正反対の「勝利を目指す行為」であることやチーム全体の士気を高める効果があること、また、授受される金額も「少額」であることから、不問にしたという。もっとも「誤解を招く恐れがあることから、野球賭博問題を機に一切禁じた」そうだ。

 プロ野球やJリーグなどのプロスポーツでは、優勝がかかるような重要な試合で活躍した選手には球団や監督が特別ボーナスを出すことがある。褒賞には人のやる気を引き出す効果があるし、ましてやプレーすることで報酬を得るプロ。こうした「ニンジン作戦」は悪いことではないし、巨人選手の「験担ぎ」も選手が一丸となって戦おうという意識から生まれたものだろう。

 しかし巨人ではノックでミスをした時も金銭のやりとりがあったという。高給を取っているプロ野球選手とはいえ、何にでもゲーム感覚で金銭を絡めるのは一般の常識とはかけ離れていると言わざるを得ない。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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