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実践ミャンマー進出戦略立案マニュアル
【第5回】 2016年3月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役],行方國雄 [TMI総合法律事務所ヤンゴンオフィス代表]

「なぜ」ミャンマーに進出するのか?
検討するための6つのフレームワーク

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ミャンマー進出の先行組の会社の相談を受けて驚くことがある。びっくりするほど事前の検討なしにミャンマーに入っていって、失敗をしていることだ。今回は、そもそも「なぜ」ミャンマーに進出するのか?検討するための6つのフレームワークについて考えてみたい。

事前の検討なしに進出しても、成功はしない

 「孫子曰く、兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず」(『孫子』始計編)
 古代中国の代表的な兵法書である『孫子』は言う。戦いは、国家の大事であり、存亡がかかっている。それがゆえに慎重な検討の上で行わなければならない。海外進出においても、全く同じだ。海外進出は、その企業の重大事であり、また存亡の道だ。従って、相当慎重な検討が行われなければならない。
 だからこそ、戦略立案が大事になる。また、もう一つの背景には当たり前のプロセスが意外と行われていない事実がある。この連載では、ミャンマー進出における様々なリスクを見てきた。またその上で、ミャンマーは海外進出先として決して容易ではないことを説明してきた。そもそも、海外進出は決して容易な話ではない。従って、それ相応の十分な準備が求められるのは、ある意味当たり前の話だ。
 2011年から政治経済状況が大幅に変化し、その中で我先にと現地に飛び込んでいった企業も多いが、そうした先行組のいくつかは当初の目論見から予想が外れて撤退を開始したところもある。そういう会社の相談を受けて驚くのが、びっくりするほど事前の検討なしに入っていったことだ。将来の可能性、未開の地、先行者利益という言葉に踊らされて進出したはいいが、結局事業化に至らず、合弁先とどのように事業を畳むかの話がもうすでに始まっている。
 一つの海外進出の失敗は、どの会社にとってもそれなりに大きな損失だ。特に中小企業にとっては、その失敗によるインパクトは本社の屋台骨にすら影響を及ぼすことになりかねない。
 では、どんな企業でもすぐに実践できる戦略立案の考え方はあるか。進出戦略立案というと、難しそうに聞こえるし、色々面倒そうだ。実際色々と細かく行えばどこまでも大変な話になる。ただ、それよりも大事なのは基本的なポイントをまずしっかり押さえることである。ここではどんな企業でもすぐに使うことができる簡単な方法をご紹介したい。ポイントは、次の4つの質問にしっかり答えることだ。

ミャンマー進出戦略立案時に答えるべき4つの質問

1. 「なぜ」ミャンマーに進出するのか
2. 「いつ」進出すべきなのか
3. 「何を」進出対象にすべきか
4. 「どのように」進出するべきなのか

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杉田浩一 [株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役]

すぎた こういち/カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学及び生物学部卒。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程卒。15年間にわたり複数の外資系投資銀行にて、海外進出戦略立案サポートや、M&Aアドバイザリーをはじめとするコーポレートファイナンス業務に携わる。2000年から2009年まで、UBS証券会社投資銀行本部M&Aアドバイザリーチームに在籍し、数多くのM&A案件においてアドバイザーを務める。また、2009年から2012年まで、米系投資銀行のフーリハン・ローキーにて、在日副代表を務める傍ら東南アジアにおけるM&Aアドバイザリー業務に従事。2012年に、東南アジアでのM&Aアドバイザリー及び業界調査を主要業務とする株式会社アジア戦略アドバイザリーを創業。よりリスク度の高い東南アジア案件において、質の高いアドバイザリーサービスの提供を目指してASEAN各国での案件を遂行中。特に、現地の主要財閥との直接の関係を生かし、日系企業と現地企業間の資本・業務提携をサポートしている。ミャンマーにおいては、大手事業会社、総合商社、金融機関等の進出戦略立案及びその実行サポートに携わる一方で、2012年よりダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)にて、3年間にわたり人気コラム『ミャンマー その投資ブームは本物か』『海外戦略アドバイザー杉田浩一が徹底解説 ミャンマービジネス最前線』を連載。

行方國雄(なめかた・くにお) [TMI総合法律事務所ヤンゴンオフィス代表]

弁護士/ニューヨーク州弁護士/TMI総合法律事務所 パートナー/TMI総合法律事務所ヤンゴンオフィス代表。東京大学法学部卒。ミシガン大学ロースクール(LLM)卒。東京大学法科大学院客員教授(2007年4月~2010年3月) 主な取り扱い分野としては、一般企業法務、M&A、株式公開支援、海外進出支援、国際訴訟・仲裁等がある。2012年10月に、日本の法律事務所としては初めてミャンマーにオフィスを開設し、その代表を務め現在に至る。2013年7月より、経済産業省及び日本貿易振興機構(JETRO)が実施する「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム事業」の現地支援プラットフォーム・コーディネーターも務めている。 ミャンマー法に関連した論文としては、以下のようなものがある。 2016年1月「緊急特別レポート 重要法令草案などに見るミャンマー法務の現在と将来」(The Lawyers) 2014年6月「2013年度ミャンマー連邦共和国法制度調査報告書」(法務省) 2014年6月「アジア諸国における商号の保護(その2)」(知財管理) 2014年5月「ミャンマー新経済特区法の概要」(旬刊商事法務) 2014年2月「債権回収に関するアジア各国の法制度」(金融法務事情) 2013年10月「ミャンマーにおけるM&A」(MARR)


実践ミャンマー進出戦略立案マニュアル

ミャンマーにいつ進出し、何を進出対象にすべきか。どのように進出すべきなのか、現地に精通した著者が進出の実態とコツを徹底解説します!数多くの業種の進出企業や現地企業にインタビューを実施し、実際の進出リスクや現場で起こる困難等、ありのままにお伝えします。

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