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IFRS最前線

実は準備期間はもういくらもない?
IFRSの「初度適用」という落とし穴

【第17回】 2010年7月22日
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 「そろそろIFRS適用の準備に入ろうか・・・・・・」

 2009年度の決算も終わった今、多くの企業関係者はこう考えているだろう。

 連載第14回でも紹介したとおり、日本企業に対して2015年、または2016年から強制適用が始まるIFRS(国際会計基準)への対応準備が、いよいよ本格的に盛り上がりつつある。

 ただし、導入支援サービスを手がけるコンサルやITベンダーに「相談を始めたばかり」という企業も少なくない。経理部門などを除けば、社内の全ての関係者がIFRS適用に関して同レベルの意識を持っているとは、言えない状況だろう。

 なかには、「そうは言ってもまだ何年も余裕がある」と悠長に構えている人もいるのではないだろうか?

「まだ大丈夫」と思っていたら?
初度適用に関わる「思わぬ落とし穴」

 しかし、IFRSの適用に関しては、思わぬ「落とし穴」がある。それが、IFRS第一号に定められている「初度適用」と呼ばれるルールだ。IFRSを初めて適用する企業は、導入時にこのルールに従って財務報告を行なう必要がある。

 初度適用では、日本基準とIFRSとの差異を修正することが求められている。そこで必要となるのは、「遡及適用」と呼ばれる作業である。なんと、あたかも過去から継続してIFRSを適用してきたかのように、日本基準で作成された過去の財務諸表を、IFRS対応に作り直さなければならないのだ。

 見直しについては、「IFRSの認識基準を満たしていない資産や負債を除外する」「全ての項目をIFRSに従って再測定する」などと述べられている。

 「そんな無茶な! IFRSが適用される初年度分から作れば十分じゃないか」と驚く関係者も多いだろうが、話はそう単純ではない。

 企業の財務諸表を株主や取引先などのステークホルダーが見るときに、彼らが重視するものと言ったら、何だろうか? それは、複数年度の財務データを比較して、「前年度と比べて利益はどれくらい増減しているか」「資産や負債の状態はどう変化しているか」を分析することだ。

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2015年にも日本企業に強制適用される可能性がある国際会計基準(IFRS)。“世界標準”ともうたわれるこの基準の適用は、日本経済にどのような影響を与えるのか。IFRSを様々な角度から取材し、その実態に迫る。

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