白湯(さゆ)とはある辞書の定義によれば「沸かしただけで何も入れない湯」のことだ。この言ってみればただのお湯を飲むだけで体調を整えることができるというのが、白湯健康法で、この数年静かなブームとなっている。
正しい白湯の作り方と飲み方とは?
まず白湯の作り方。この健康法でいう白湯は、ただ沸かしただけではダメなようだ。水道水をレンジやポットではなく、やかんで10分から15分沸かすのが一般的で、沸騰したお湯は保温ポットなどに移す。
水道水ではだめという説、やかんに蓋をしてはいけないという説、ポットで沸かしても構わないとう説、など諸説ある。要は水道水を適当に沸かしてから、少し冷まして飲めばいいのではないか。
次は飲み方。飲める程度に冷ました150cc程度の白湯を、身体に負担をかけないため少しずつすするように飲むのが基本だ。特に朝起きて一番の白湯は、なるべくゆっくり15分程度かけて飲むこと。水分補給だけではなく起き抜けの身体を温める効果や、便通を促す効果、血液をサラサラにする効果があるという。
さらに一日3回の食事中にも同程度の白湯を、ゆっくりと飲む。これは身体を温め消化力を上げるためとされる。トータルで一日5杯から6杯程度が標準で、これより多いと(白湯健康法としては)飲みすぎということになる。
これらの効果から考えると冷え性や便秘気味の人、胃腸の弱い人、生活習慣病を予防したい人向けの健康法だ。だが加えて、いわゆるデトックス効果、ダイエット効果、免疫力を上げる効果もあるとされるので、万人向けのものともいえる。
なぜ“ただのお湯”が健康によいのか
ただのお湯を飲むことがなぜ「効く」のだろうか。白湯健康法について書かれた書籍では、次のような解説がなされている。アーユルヴェーダ(インドの伝統医学)では人間の身体も、自然界も「水」「火」「風」の3つの要素で成り立つ。水を火にかけることで火の性質が加わる。沸騰することにより気泡が出てさらに風の性質が加わる。つまり白湯は「水」「火」「風」の3要素を完全に満たすものであり、飲むことにより身体の3要素もバランスを取り戻すというのだ。