最近の約50年間で、飲みものの歴史は激変してきました。特に日本は市販の飲料の種類が多いうえに、近年はカロリーを摂取するのではなく、逆に「カロリーゼロ(オフ)」をウリにした飲料が多く登場しています。前回までに指摘した人工甘味料の問題を踏まえ、どのような点に気をつけて市販の飲料を選ぶべきなのか考えてみましょう。今回は、飲料から摂るべきカロリー量とともに、コーラを具体例として原料や成分について気をつけるべき点を紹介します。
私たち人類の直接の祖先は、今から、約10数万年前にアフリカで誕生しました。その頃、人類には水か母乳しか飲むものはありませんでした。赤ん坊は母乳を飲んで、離乳したら水を飲んでいたのです。
その後、紀元前9000~2000年頃に、ヤギやヒツジのミルクを飲み始め、飲みものからカロリーを摂取するようになりました。さらに紀元前8000~4000年頃に、ビールやワインといったアルコールを飲むようになり、紀元前500~西暦200年頃に茶が誕生したと言われています。
ところが、最近の約50年間で、飲みものの歴史が激変してきました。特に日本は市販の飲料の種類が多く、改廃が早いばかりでなく、近年はカロリー摂取ではなく、逆に「カロリーゼロ(オフ)」をウリにした飲料が多く登場しています。市販の飲食品のうち、果たして何を選んで飲んだり食べたりすべきなのでしょうか?
飲みものの摂取カロリーは全体の10%以内に
たとえば成人男性の体重の約60%、成人女性では体重の約55%が水分で占められています。ちなみに、体の水分量は性別だけではなく年齢によっても違い、赤ん坊は約75%、子どもが約70%、老人が約50%です。
私たちは、じっとして汗をかかなくても、1日に約900mlの水分を、皮膚からの蒸発や呼吸で失っています。さらに、尿や便として約1300~1600mlの水分を排泄しますので、約2200~2500mlの水分が運動をしなくても失われます。水は生命にとって不可欠で、体内で食べものの栄養素の運搬や、廃棄物の排泄、体温の調節に大切な役割を果たしています。ですからその分、水分を補給しなければなりません。
通常は、食事から約600~1000ml、食べ物の栄養素が燃焼してエネルギーを発生するときにできる水(=代謝水)から約200~300mlの水分を摂取しています。ですから、残りの約1000~1500mlは飲料からこまめに摂取しなければなりません。運動などで発汗が多い時は、さらに多くの水分の補給が必要になってきます。また、腎臓や心臓の機能が弱い方は、水分制限に関して医師の指示が必要です。
飲みものから摂るカロリーは、摂取カロリーの10%未満が理想です。例えば、1日2200kcalの摂取が必要な場合は、220kcal以下ということになります。
1日1500mlの水分が必要な場合:
オレンジジュース1杯200ml=84kcal
砂糖クリーム入りコーヒー1杯200ml=43kcal
緑茶200ml=2kcal
低脂肪乳コップ1杯 200ml=97kcal
これで約800ml、220kcalです。必要とされる残りの水分700mlは水で補給できますね。毎日500mlの水を持ち歩くと、いつでも水分の補給ができて、1日にどれだけ水分を摂取したかわかりますので、とても便利で、しかも健康的ですよ。ぜひ、試してみてください。