ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
財務で会社を読む

【住友金属鉱山】14年ぶりの赤字転落でも米鉱山へ巨額投資の大博打

週刊ダイヤモンド編集部
2016年4月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

住友金属鉱山は、2016年3月期に14年ぶりの経常赤字に転落する。チリ銅鉱山の減損処理が響いたためだ。そして、この逆風下で、新たに米銅鉱山への投資を決めた。果たして、勝算はあるのか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)

 ある市場関係者は、「逆風下の逆張り投資で勝算は未知数だ」と首をかしげた。

 今年2月、非鉄金属大手の住友金属鉱山が大博打に出た。10億ドル(約1100億円)もの巨費を投じて、米モレンシー銅鉱山の権益を25%まで追加取得するのだ。

 住友鉱はチリ銅鉱山の689億円もの減損損失が響き、2016年3月期に14年ぶりの経常赤字に転落することが確定したばかり(図(1))。この逆風下に積極投資に打って出たことに、市場関係者は驚きを隠せなかったのである。

 では、住友鉱が動いたのはなぜか。モレンシー銅鉱山は、鉱石の銅含有量が多いため、「主要な銅鉱山を生産コストの低さで評価すると、上位3分の1のクラスに入る優良物件」(業界関係者)といわれる。銅価格の低迷を懸念する声も上がるが、住友鉱は、資源安が当分続いたとしても採算が取れると踏んでいるのだ。

 こうした機会に備えて、住友鉱は万全の準備をしてきた。いつでも機動的に投資できるよう自己資本を厚くしてきたのだ。実際に、住友鉱の自己資本比率は61%と高く、同業の三菱マテリアルの2倍近い(図(2))。

 一般的には、日本の非鉄金属大手の資源ビジネスは主に、鉱山開発を行う「資源事業(川上)」と、鉱石から金属を取り出す「製錬事業(川中・川下)」から成り立っている。

 今回、リスクを冒してまで住友鉱が“川上”の鉱山投資に打って出るのは、製錬事業の利幅が小さくなっているためだ。

 住友鉱も含めて、日本の非鉄金属大手の製錬所は、原料の多くを海外の資源メジャーに依存している。近年、中国による鉱山買い占めや資源メジャーの寡占化によって、鉱山側の交渉力が著しく強くなった。そうなると、割を食うのは製錬所側だ。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年1月21日号 定価710円(税込)

特集 天才・奇才のつくり方 お受験・英才教育の真実

お受験・英才教育の真実

【特集2】
村田 vs TDK
真逆のスマホ戦略の成否

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


財務で会社を読む

週刊ダイヤモンドで好評連載中の「財務で会社を読む」。各業界・企業を担当する第一線の記者が、ポイントを絞った財務分析で企業・産業に切り込みます。

「財務で会社を読む」

⇒バックナンバー一覧