ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
金融市場異論百出

マイナス金利はありかなしか
“先輩国”スウェーデンでも紛糾

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2016年4月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
スウェーデンの中央銀行であるリクスバンクのステファン・イングヴェス総裁。日本銀行の黒田東彦総裁と同じ状況に立ち向かう
Photo:REUTERS/アフロ

 日本銀行がマイナス金利政策の導入を決定してから2カ月が経過した。最近、金融市場参加者が集まる会合に数回出たが、いずれの場でもこの政策導入を決めた日銀への批判はいまだに鳴りやんでいなかった。

 しかしながら、マイナス金利政策を導入して世間から非難を浴びている中央銀行は日銀だけではない。スウェーデンの中央銀行であるリクスバンクは現在、政策金利をマイナス0.5%へ引き下げている。インフレ率を目標の2%(日銀と同じ)へ早く復帰させるためだが、このスタンスは同国の有力エコノミストや主要メディアから激しく攻撃されている。

 「SvD Naringsliv」紙は、「コーヒー、アボカド、サーモンの値段が低いことはいいことだと、ほとんどのスウェーデン人は思っている。しかし、会議室に座っている経済の博士号たちは、そう思っていない」と報じた。

 “博士号たち”とはリクスバンクの幹部のことだ。同紙は単に物価は安ければいいと主張しているのではない。リクスバンクが早期にインフレ目標を達成しようとしている姿勢と国民の感覚とに隔たりがあることを問題視している。

 これほどの金融緩和策を行っていても、総合インフレ率(2月)は0.4%、住宅ローン金利の影響を除いた基調的インフレ率は1.1%だ。この低インフレは資源価格低迷など国際的な影響を大きく受けているという見方が多い。無理にでも2%インフレを目指すのならば、通貨安誘導で生活必需品などの価格を押し上げていくしかない。

 同紙は「1993年に2%のインフレ目標を導入したとき、リクスバンク幹部は、大事なのは物価が安定していると皆が思えることであって、インフレ率の数値は二の次だと言っていたではないか」「しかも、2010年までインフレ目標には1~3%の許容レンジが設けられていた(今のそれは1%台)。リクスバンクは、低インフレは危険だと言っているが、説得力がない」と指摘している。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2016年10月1日号 定価710円(税込)

特集 特集 凄いネスレ 世界を牛耳る 食の帝国

違いが分かる食の帝国を徹底解明!

【特集2】
2017年 新卒就職戦線総括
今年も「超売り手市場」が継続 選考解禁前倒しも競争は激化

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


金融市場異論百出

株、為替のように金融市場が大きく動くことは多くないが、金利の動向は重要だ。日本を代表する日銀ウォッチャーが金融政策の動向を分析、金融政策の動向を予測する。

「金融市場異論百出」

⇒バックナンバー一覧