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新生ファミマ、首位を狙う統合大改革の中身

上田準二ファミリーマート会長に聞く

週刊ダイヤモンド編集部
2016年4月12日
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ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスが経営統合し、イオン、セブン&アイ・ホールディングスに次ぐ巨大流通グループの第三極が誕生する。統合新会社のトップに就任するファミマの上田準二会長に、勝算を聞いた。 (「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)

うえだ・じゅんじ/1946年12月生まれ。秋田県出身。70年伊藤忠商事入社。畜産部長などを経て2000年ファミリーマート顧問、02年社長、13年1月より現職。16年9月にユニー・ファミリーマートホールディングス社長に就任予定。Photo by Kazutoshi Sumitomo

 「経営統合は絶対に成功させなくてはいけません。中山勇社長が統合も国内外の事業も全て担うのは相当なエネルギーが要ります。新たなトップが1人必要だったのです」

9月に経営統合するファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス。2月に発表された統合後の新体制で、最大のサプライズだったのは、コンビニエンスストア事業会社の社長人事。白羽の矢が立ったのは、ファーストリテイリング元副社長で、その後、企業再生を手掛けるリヴァンプを立ち上げた澤田貴司氏。中山社長と伊藤忠商事時代の同期で、ローソンの玉塚元一社長の盟友でもある。ファミマの上田準二会長が、抜てきの狙いを語る。

 「統合後の会社の一番良い姿を、客観的かつ公正に見ることができるのは誰か。それは外部の人材です。過去の出身会社にとらわれず、新会社にとってベストな判断ができます。サークルKサンクス(CKS)にとっても、少し前まで競合だったファミマに、組織を牛耳られてしまうという意識がなくなるでしょう」

 「最終決定までに澤田と何度か話しましたが、『現場に行くのが好きだ』と語っていて、コンビニの社長に適しているなと感じました。自ら現場に入り込んでいく姿勢が、コンビニには必要なんです」

小売業の経験が評価されての抜てきだが、「コンビニは素人」と自ら語る澤田氏。加盟店オーナーへの対応という、コンビニ特有の課題も待ち構える。

 「加盟店向けの政策発表会を、3月に全国約10会場で実施しました。私と中山が経緯を説明し、澤田は『本社にいるのではなく、皆さまのところに飛び込んで教えていただき、皆さまの役に立つ仕事をしたい』とあいさつしました」

 「オーナーは温かく迎え入れようという反応です。澤田のスピーチを聞き、『一緒に頑張ろう』という声が上がりました。非常に期待されています。情熱と感性があれば、経験がなくても、オーナーに信頼されるようになるでしょう」

統合後のコンビニのブランド名は「ファミリーマート」への一本化が決まったが、消費者が気になるのは、行きつけの店舗の商品やサービスがどう変わるかだ。とりわけ買い物でたまるポイントは、ファミマがTポイント、CKSがRポイントと異なっている。

 「常に新商品を開発する力を付けることが一番重要ですが、従来の人気商品、例えば『ファミチキ』を別のチキンにすることは考えづらいですよね。またCKSで定番の焼き芋を、ファミマに一本化するのでやめます、という話もないわけです。顧客に受け入れられている良い商品は、全部継続します。また、レジ横のコーヒーは加盟店に飲み比べてもらい、一本化が決まりました。どちらになるかは、現時点で私からは言えませんが」

 「コンビニの一本化のめどはほぼ付きました。最終決定していないのはポイントです。9月までにまとめないといけませんが、もう少し検討が必要です。そもそも、RポイントとTポイントは意味合いや機能が違います。Rポイントが利用できるのは楽天市場が中心ですが、Tポイントは実店舗での利用が中心です。どうすれば本当に顧客の囲い込みにつながるか、見極めねばなりません。慎重に判断したいと思っています」

 「店舗改装はそれほどコストを掛けずにやりたいですね。まともにやったら1店舗につき1500万~2000万円掛かりますが、それをどこまで安くできるかが勝負です。最もコストが掛かるのはITシステム。レジから本部の会計まで全て連動しますから、冷蔵庫のように使えるものは使うというわけにはいきません。7月ごろまでに詳細を固めたいです」

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