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異例のスピードで決断したキリン、海外大型投資の背景

週刊ダイヤモンド編集部
2010年8月6日
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 キリンホールディングスが、海外投資戦略を再開した。7月26日に846億円を投じて、マレーシアやシンガポール市場で飲料最大手のフレイザー・アンド・ニーヴ(F&N)の発行済み株式14.7%を取得、第2位株主となった。

 キリンは2000年代後半から約8000億円弱を投じてオーストラリア・フィリピンなどで飲料や乳業会社の大型買収を次々と進め、アジア・オセアニア地域で食品業界トップを目指していた。だが、サントリーホールディングスとの経営統合案が09年7月に急浮上。交渉入りしたことで身動きができない状態となっていた。

 しかし、2月に統合交渉が破談したことで、経営資源は再び海外展開へ向けられた。

 今回の提携では、キリンのスピードと大胆さが発揮された格好だ。

 というのも、株式買い取り交渉が本格化したのは「最近のこと」(小林弘武常務)。しかも、水面下で交渉を続け、シンガポールの政府系投資会社が保有する株式を市場外、前取引日の終値に13%のプレミアムが乗った価格で取得した。

 出資先となるF&Nには事前の合意を得ていない。マジョリティも獲得しない。キリンにとってかつてない出資劇だ。当然、詳細な資産査定もしていないし、役員を派遣できるか否かも未定。「持ち分法適用会社となるかどうかも協議中」(小林常務)という。

 株式取得がなにより優先されたことを物語るが、背景にあるのはアジア市場での陣取り合戦の激化。

 特にインドシナ半島は、アサヒビールが世界大手カールスバーグと提携して販売網を広げているなか、キリンには“空白地帯”だった。是が非でも橋頭堡を築く必要があったのだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木 豪)

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