胃腸の内視鏡検査は、便潜血などがあって初めて受ける人が大半だ。しかし、「(1)40歳以上、(2)二親等以内に胃・大腸ガンの親戚がいる、(3)ピロリ菌がいる、または除菌した──1つでも当てはまる人は症状がなくても受けたほうがいい」と、赤坂胃腸クリニックの村田博司院長は指摘する。

内視鏡検査を2年に1回受けておけば
がんが見つかっても早期治療が可能

 ピロリ菌を除菌した人が含まれるのはなぜか。胃潰瘍や十二指腸潰瘍で苦しんでいた人の98%は除菌で再発しなくなるが、それでガンができなくなるわけではないからだ。また、ピロリ菌との関連が深いと見られ、胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎は発ガンの可能性が高く、注意が必要だ。

 便潜血やポリープの既往症などがあって内視鏡検査を受けた集団のうち、3割に良性のポリープが、200人に1人の割合でガンが見つかる。「すでに発症している人以外は、2年に1回内視鏡検査を受けておけば、たとえガンが見つかったとしても、内視鏡手術で取り切れる範囲、つまり死ぬことはない」と村田氏は言う。