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日本が誇る!食のブランド 池田陽子

1パック3万円のいちご「スカイベリー」驚愕の味

池田陽子 [食文化ジャーナリスト/薬膳アテンダント]
【第10回】 2016年4月29日
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 圧倒的ないちごの生産量を誇る栃木県。生産量のみならず、作付面積、産出額も日本一の座に輝いている。前回紹介したように、そんな無敵のいちご王国に「強敵」が現れた。福岡県「あまおう」である。

 「あまい、まるい、おおきい、うまい」というその名の由来のとおり果実が大きく、赤くてつやがあり形が整い、果実糖度が高いあまおうは、大ブレイクした。

 「あまおう」を前に、栃木がいちご王国としての地位を揺るぎないものにするためには、なるだけ早く、新ブランドが必要だった。そこで「栃木県農業試験場 いちご研究所」が、17年の歳月をかけて開発したのが「スカイベリー」(品種名:栃木i27号)だ。2011年からは、生産者たちによる試験栽培がスタートした。

とちおとめより病気・寒さに強い
大粒いちご「スカイベリー」の凄み

谷中さんのハウスでは、とちおとめとスカイベリーを栽培

 栃木市惣社町のいちご生産者・谷中克巳さんは、2012年からスカイベリーの試験栽培に携わっている。

 いちご栽培43年の谷中さんのハウスを訪ねると、たわわにいちごが実っていた。

 「とちおとめは、生食にも加工にも向いている、オールラウンドないちご。今年で誕生20年を迎えます。技術的にも確立して収量も上がり味も安定しています」と谷中さん。

 「ただ、消費者の慣れというのもあるんでしょうかね……。1パックあたりの単価が落ちている状況で収益が伸び悩んでいました」

 いちごの選果、パック詰めという手間のかかる作業を効率化するためにも、とちおとめより、大粒のいちごがあればという期待もあったという。

 スカイベリーは、生産者にとっても希望の星だったのだ。

 谷中さんが「あれがスカイベリーです」と指さした。

 大きい!

 一般的ないちごがだいたい17、18グラムのところ、スカイベリーは25グラム以上の果実の発生の割合が1株あたり約3分の2を占める。手に持つとズシッと重い。

 しかも、ほれぼれとするほど、そのラインはピシッとした円錐形。色は濃赤橙色、品のあるつややかな光沢で、絵に描いたようなうっとりするほど美しいいちごだ。

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池田陽子[食文化ジャーナリスト/薬膳アテンダント]

宮崎生まれ、大阪育ちのアラフォー。立教大学卒業後、出版社にて女性誌、ムック、機内誌などの編集を手がける。取材を通して、カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは?という関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。自身の体調の改善、美容効果などをふまえてふだんの暮らしの中で手軽に取り入れられる薬膳の提案や、漢方の知恵をいかしたアドバイスを、執筆、講習会などを通して行う。また、日本各地の食材を薬膳的観点から紹介する活動も積極的に取り組み、食材の新たな魅力を提案、発信を続け、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。著書に「ゆる薬膳。」(日本文芸社)「缶詰deゆる薬膳。」(宝島社)、「『ゆる薬膳。』はじめたらするっと5kgヤセました!」(青春出版社)などがある。
■HP:www.yuruyakuzen.com
■Facebook:https://www.facebook.com/yoko.ikeda.79

また、鯖をこよなく愛し、日本全国・世界のさば、さば料理、さば缶を楽しみ、さば文化を語り、さばカルチャーを発信し、さばで日本各地との交流をはかることを趣旨に活動している「全さば連」(全日本さば連合会)にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。
■全さば連HP:http://all38.com
■FACEBOOKページ:http://www.facebook.com/mackerel.cava  

 


日本が誇る!食のブランド 池田陽子

観光立国を目指す日本にとって、日本の食は大きな資産だ。日本各地にさまざまな誇れる食のブランドがあるなかで、多くの日本人・外国人にも知られているモノはいかにしてブランドを築き、なおそれを維持しているのか。その日本の食のブランド戦略を探る。

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