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日銀よ目を覚ませ!
“金融政策一本足打法”は限界だ

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第426回】 2016年5月2日
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ネガティブサプライズとなった
日銀の金融政策決定会合

今回の金融政策決定会合で、日銀は大方の予想を裏切る政策据え置きを決定した

 4月28日、日銀は金融政策決定会合で、大方の予想を裏切る政策据え置きの決定を下した。今回の決定はネガティブサプライズと受け止められ、株価が急落し、一時はドル円が107円台に下落するなど為替市場は円高方向へ大きく動く結果となった。

 これまで金融市場の安定要因として作用してきた日銀の政策が、今後、市場の不安定要因となる可能性を認識させることになった。その意味では、日銀の金融政策偏重の“金融政策一本足打法”の限界を露呈したと言える。

 最近、国内外の金融市場関係者の関心は、金融政策の政策運営に集中していた。日銀や米国のFRB、欧州のECBが次に何をするかに意識が集まり過ぎていた観さえある。特に、景気先行きに不透明感が高まるわが国に関しては、「日銀の政策次第」との見方が圧倒的に多かった。

 日銀としても、投資家や市場関係者から尋常ならぬ期待を一身に受けてしまうと、彼らの期待を裏切ることは難しくなる。日銀は、次第に“ない袖を無理に振って”金融政策を発動せざるを得ない状況に追い込まれつつあった。

 そうした日銀の政策運営にはリスクが存在する。これまで黒田総裁は3回の“バズーカ砲”を撃ってきたが、その効果は次第に縮小している。元々、金融政策のみによって、景気回復を進め、デフレから脱却することは難しい。

 日銀は、金融政策の限界と非伝統的な政策運営のリスクを真剣に考えるべきだ。それを無視すると、結果として、日銀の金融政策が金融市場の波乱要因になるだけではなく、わが国経済の先行きにも重大なマイナス要因になることも懸念される。

 2012年に始動したアベノミクスは、円安を加速し、企業業績をかさ上げした。それに伴い、株価は堅調な展開になった。官制春闘とも呼ばれた賃上げ環境も整備した。こうして、一時、景気の先行きには明るさが見え始めていた。

 それを支えたのが、日銀の“短期集中型”の金融政策だ。次第にアベノミクスは金融政策に頼りきりになり、最近では“金融政策一本足打法”と揶揄されるゆえんとなった。

 安倍政権は、ドル高の流れを最大限に活用し、円安圧力を高めて景気への期待を醸成しようとした。その政策意図に沿って、黒田・日銀総裁は2013年4月に日銀は量的・質的金融緩和(黒田バズーカ第1弾)を発動した。

 さらに、2014年10月末の量的・質的金融緩和の拡大(第2弾)、2016年1月末のマイナス金利付き量的・質的金融緩(第3弾)を行って、市場の期待以上の回答を与え続けた。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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