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エコカー大戦争!

再上場へ弾み?オバマ試乗で盛り上がる
GM「ボルト」の気になる完成度と日本車対抗意識

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第52回】 2010年8月17日
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 2010年7月30日、米ミシガン州デトロイトにあるゼネラル・モーターズ (以下GM)の車両組立工場内で珍事が起きた。

今回は、オバマ大統領自身からシークレットサービスに対して「ボルト」試乗の申し出があったという。写真:GMメディアサイト

 視察に訪れていたバラク・オバマ大統領が、GMが今年後半から米国内で発売する―GMが命名した―「レンジエクステンデッドEV(航続距離延長型電気自動車)」こと、シボレー「ボルト」を自ら運転し、約40フィート(12メートル)走行したのだ。

 問題は、その試乗場所だ。そこはなんと、各種の工作機械が立ち並ぶ工場内部、組み立てラインの最終段階の地点なのだ。通常の作業工程ではこの後、屋外のテストコースで走行チェック等が行われる。

 つまり、オバマ大統領が試乗した「ボルト」は、製造工程は一応完了しているが、「出荷最終確認車両」ではない可能性が高い。むろんメディアでの演出を考慮して、出荷最終確認車両をこの地点に運んだ可能性もある。だがそれは、あまりに不自然だ。

 全世界に配信されたこの珍事、同車両の進行方向・左側約1メートルほどにGM工場従業員が数人立っている。さらに同車両の進行方向の正面側には多数の報道陣の姿。オバマ大統領自身から事前にシークレットサービスに対して、今回の試乗の申し出があったという。だが、オバマ大統領は通常、自動車を自ら運転することはなく、直近の試乗体験も数ヶ月前にクローズドエリアで短時間走行しただけだという。

 それにしても今回のオバマ大統領の「ボルト」試乗、あまりにもリスクが高い。筆者が考えるその理由は次の通りだ。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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