ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

副業の解禁は、社員にも会社にもメリットがある

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第43回】 2016年5月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
副業OKの企業が増え始めていますが、副業は社員のみならず、企業側にもメリットをもたらすようです

 最近、副業を認める会社が増えてきた。ただ、多くの会社はまだ試行期間に入ったばかりで、この制度変更が個人と組織にどのような結果を生み出すかについて、明確なビジョンはないようだ。私自身は、かつて個人のプロフェッショナルの独立を支援するNPOを設立し、現在も顧問として関わっていることから、多くの方の副業の実態や、副業から「複業」化する姿を見てきた。そこで、現段階における経験的な実感をお話ししてみたいと思う。

 まず基本スタンスだが、私自身は、副業に賛成だ。なぜなら、会社員の副業(とくに小さい仕事をすること)にはたくさんのメリットがあると考えているからである。

副業を経験して得られる5つのメリット

1、本業に良い影響が生まれる

 特に分業化が進んだ大企業に勤める人は、小さい仕事で業務の“全体に関わる”ことにより、学ぶことが多いだろう。個々の仕事が集まって最終的な顧客への価値につながるまでの在り様を直接感じることによって、個と全体のバランスを見る習慣ができる。それ以外にも、単純に“よそ”や、“別の”やり方や、“別の価値観”を知る非常に良い経験になり、本業にも好効果が生まれる。

2、お金をもらう大変さがわかる

 「わかってるよ」という人もいるとは思うが、自分で仕事をフィニッシュさせてはじめてお金がもらえる。適当にやってもどうにかなる」「誰かが何とかしてくれる」ということがない。会議に適当に出ておけばOKというわけでもない。丁寧な仕事をして、きちんと成果を出して、はじめて仕事をしたといえるのだ。報酬のみならず、仕事がもらえるという、ありがたみを改めて感じられるいい機会になるだろう。

3、個人の力が試せる

 信用やネームバリューが通用しない状態で、どこまでできるのか。自分の名前だけで勝負するのは、多くのサラリーマンにとって初めての経験になる。初任給をもらえたときに幸せを感じるのと同様に、初めての副業で数万円をもらえたことが人生での大きな喜びになったという人は多い。社会から個人としての存在価値を認められたような思いになるらしい。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

⇒バックナンバー一覧