あなたはヨガと聞いて、なにを思い浮かべるだろうか?「女性がやるもの?」「インド人がやってるもの?」「体がやわらかい人がやるもの?」そう思うかもしれないが、そうではない。
ヨガとは4000年以上前に人類が発明した、心身を鍛える最強のエクササイズなのである。
ダイヤモンド社より発売され、早くも増刷が決まった話題の1冊『外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣』よりその一部を抜粋してお届けする。
ヨガの目的は「心の整理」である
少しだけ、ヨガ誕生の歴史をご紹介したい。
インドではその昔、「生きにくさ」をなんとかするために人びとは「祈り」を捧げていた。
しかしあるとき、「祈り」といった他力本願ではなく、すべての原因は自分自身にあるということに気づいたものがいた。それが「ヨガの発見」につながったという。
心を見つめ自分について真剣に探求するヨガの発見は、多くの人の苦悩を解放する「希望」としてインドで急速に広がっていったのだ。
ヨガは実践的な方法によって「本当の自分」を発見する。これは、まさに「祈り」という宗教からの脱却だった。
現在、ヨガと聞くと、健康法やフィットネスというイメージが強いが、そういったポーズや呼吸法が最初からあったわけではない。心を整えるために、時代を経て進化してきたものであり、ヨガの進化は未だ終わっていない。
つまり、ヨガのそもそもの目的は健康になることやストレッチではなく、精神の平穏であり、心の整理であったのだ。
「呼吸」「姿勢(体)」「瞑想」の三位一体
「心」と「呼吸」に関係があることは、ヨガが誕生する前のバラモン教の時代から知られていたことだった。人びとは心をコントロールするために呼吸をコントロールすることに気づいた。
その後、呼吸をよりよくするためには「体の調整」が必要であることがわかってきた。10世紀頃になると、心をコントロールするための呼吸をコントロールするために積極的にポーズを通じて、体をコントロールする試みが始まる。
心を整える瞑想をするためには、正しい呼吸が必要だ。そして、深くゆっくりとした呼吸をするためには、正しい姿勢が必要である。体にゆがみがあると、正しい呼吸ができないからだ。
ヨガの修行者は、「呼吸」「姿勢(体)」「心」を三位一体にすることの大切さに気づき、それがヨガの根幹となったのだ。
このように進化してきたヨガの実践法は、特定の思想や宗派に限られることなく、インド思想の根底をなす土壌となった。日本人にとってより身近な仏教も、そうした環境の中で培われた思想のひとつなのである。
いま瞑想やマインドフルネスが流行り始めているが、すべての源流がこのヨガだと言えるだろう。