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あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

「タダ乗りするな!」と部下を叱っても無意味?
フリーライドが起こらない組織をつくる方法(1)

河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長],渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第10回】 2010年9月8日
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「お前ら、みんなタダ乗りだ!」と
社員にハッパをかける上司は正しいか?

 先日うかがった話だが、某企業の一部門で、「フリーライダー」や「タダ乗り社員」という言葉を覚えた上司が、フロアの社員全員に向かって「お前らみんなフリーライダーだ! 給料もらってるならそのぶん働け!」とハッパをかけたそうだ。

 社員は白けた雰囲気で上司の言葉を受け流し、個々の業務に戻っていったという。

 ちなみにこの上司は、真面目で有能、いつも会社のことを考えている人で、いわゆる本人が「タダ乗り」しているような上司ではない。たぶん彼からすると、部下の働きぶりに大いに不満があるのだろう。それがこのような言葉になったのかもしれない。

 しかし、フリーライダー問題の解決のためには、この上司の言動に何の意味も効果もないことは、直感的にわかるだろう。

 筆者がかつて米国の大学院で社会学を専攻していたころ、ある教授がこんなことを語っていた。

 「人口10万人の町で10人が失業しているならば、社会学者の出る幕はない。たぶんコンサルタントや他の誰かが、その10人をケアすべきだ。なぜなら、失業しているのはその10人に個人的な原因があるからだ。しかし人口10万人の町で1万人が失業しているならば、それは社会学者や経済学者が分析しなくてはならない、この場合、失業するのは個人の問題ではなく、社会制度、経済制度の問題だからだ。」

 冒頭のケースで上司が言うように、仮にほとんどの社員が「フリーライダー」 ならば、それはその会社の業務や雇用制度に問題がある(場合が多い)。

 一方で、部門の中の数人がフリーライダーならば、彼らの性格や個人的な状況に問題があるはずだ。

 上司は、部下全員がタダ乗りしているという事実の理由を、「個々の社員の心がけ」にあると決めつけてしまっている。これでは、いくら声を大にしても問題は解決しないし、社員は白けるばかりだ。

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河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長]

ワトソンワイアットを経て、「人と組織のマネジメント研究所」(株)道(タオ)を設立。ベストセラーとなった『ニワトリを殺すな』をはじめ、『デビルパワー エンジェルパワー』『育ちのヒント』(共に幻冬舎)など著書多数。慶応丸の内シティーキャンパス客員ファカルティー。

渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

いつになったら報われるのか――。熾烈な競争に晒されたビジネスマンは疲れ切っている。そんな彼らに強い負の感情を抱かせるのが、職場で増殖中の「タダ乗り社員」(フリーライダー)だ。タダ乗り社員が増える背景には、企業の制度やカルチャーが変化し、組織に矛盾が生じている側面もある。放っておいてはいけない。ベストセラー『不機嫌な職場』の著者陣が、タダ乗り社員の実態と彼らへの対処法を徹底解説する。

「あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場」

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