多くのシニアが抱える後悔に「住まい」の問題がある。価格の下落だけでなく、若い時は何でもなかった長時間通勤が中年以降の疲労の原因になったり、これまで考えもしなかったご近所トラブルや子どもの学区問題など、後々大きな後悔に発展することも多い。先人たちの後悔を他山の石とするためにも、改めて知っておきたい住まいの教訓とは?シリーズ最新作『40代を後悔しない50のリスト【時間編】』から、一部を抜粋して紹介する。

【後悔リスト22】住む場所を先々のことを視野に入れて考えればよかった

 現在の50代、60代に「40代の後悔」を尋ねると、かなりの頻度で登場するのが「住まい」に関する後悔です。

 35年ローンで取得したマンションの価格が1500万円も下がってしまったという価格に関する後悔はよくある話ですが、郊外に一戸建てを買ってしまい、一時間半にも及ぶ毎日の通勤時間が50代になると体力的にきつくなる、といった長時間通勤による疲労も後悔の原因になることが少なくありません。

 そもそも往復3時間以上の通勤時間というのは、よほどの事情がない限り、本来はムダなものです。若いときに通勤時間をフル活用することを目的に郊外へと移り住んだ人も、それが40代になると、当初は想像できなかった体力の減退を嘆いています。しかも、世の中は明らかに都心回帰で、かつての「ニュータウン」には買い手がつかず、価格は下落するばかりでマイホームのマイナスの資産化が止まりません。

 また、再開発で建てられたマンションの設備と価格のバランスが気に入って購入したものの、子どもの学校の段になったときに、その校区の評判が最悪で、結局、中学受験で予期しない出費をすることになってしまったという後悔もよくある話です。

 マンションというのは価格帯というフィルターがありますので、ある意味、経済的に同質の住人によってコミュニティーが形成されることになりますが、校区は違います。今でも現実に荒れた学校はありますし、イジメが不安でそうした学校には通わせたくないのが親の本音であり、危険回避の本能といえるでしょう。

 住まいには価格や設備だけでなく、通勤時間や生活環境など総合的なバランスが求められます。社宅であれば賃貸に引っ越すなり、一戸建てを買って引っ越すという手はありますが、持ち家ともなればそう簡単には住み替えできないので、何かバランスを欠いたと感じたときには、住む場所についてもっと真剣に考えればよかったという後悔が募るばかりです。

 では、こうした後悔をしないために、今を生きる40代はどうすればいいのでしょうか。現在、大手不動産会社に勤めるマンションデベロッパー歴35年のW辺常務はマンションを売る側にありながら、住まいに関する多くの後悔の弁に直面し、身内や親せきの40代には、持ち家は持たず、とにかく身軽な状況で生活することを強く勧めています。