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吉野家苦境の原因は値下げ合戦のみならず!
すき家・松屋と明暗を分けた老舗ならではの事情

川原慎也 [船井総合研究所 東京経営支援本部]
【第35回】 2010年9月13日
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牛丼業界を引っ張ってきた吉野家の不振

 「牛丼、一筋(ひっとすぅじぃ)、80年(はっちじゅうね~ん)」

 およそ30年前のCMですが、このメロディーが頭に残っている方も多いのではないでしょうか。

 一度、経営危機を経験することはありましたが、その後見事に立て直して「牛丼」という市場を創り、牽引してきたのが吉野家です。「牛丼を食べに行こう」というときも、吉野家だけは「吉牛(よしぎゅう)食べよう」のように言われ、ある意味、消費者からブランド的な認知をされてきました。その背景には「やっぱり牛丼は吉野家がうまい」という一般的な消費者感覚が浸透してきたことがあるでしょう。

 しかし、その吉野家が現在、不振に陥っています。2010年2月期の業績は、売上こそ1796億200万円と前年比3.1%の微増になってはいるものの、営業利益で▲8億9500万円と赤字に転落してしまいました。この数字自体は吉野家ホールディングス全体のものなので、牛丼関連事業以外の不振事業(寿司関連事業やステーキ関連事業など)も含まれています。問題なのは、主力事業である国内吉野家の既存店売上が前年比8.4%減という状況になっており、それは来店客数が9.2%も減少していることに起因している点です。

 一方、業界大手のすき家と松屋は、吉野家と比較すると堅調な業績を上げています。なぜ牛丼業界にこのような変化が起きているのでしょうか?

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川原慎也 [船井総合研究所 東京経営支援本部]


1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業種業態を問わずに戦略実行コンサルティングを展開するという同社では異色の経験を持つ。「視点を変えて、行動を変える」をコンセプトに、戦略策定段階では「お客さまとの約束は何か」→「約束を果たすためにやるべき仕事は何か」を考え抜こう、計画策定段階では「計画が頓挫する可能性の対処策」を考え抜こう、実行段階では「勝たなきゃ組織一体化しない」から“勝ち”を積み重ねる階段を考え抜こう、と経験に裏打ちされた“視点”への刺激が散りばめられ、組織を動かす原動力へと変えていく。
最新著に『絶対に断れない営業提案』(中経出版)がある。

【関連サイト】『経営参謀の視点』※毎週月曜日更新 

 


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不透明な経済状況が続き、半年先の景気を読むことさえ難しい日本経済。この連載では、様々な業界やテーマで活躍する船井総研の専門コンサルタントが、業界別に分析し、半年先の景況感を予測していきます。

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