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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

東京電力の企業文化が変わり始めたことを世間に知ってもらいたい

週刊ダイヤモンド編集部
2016年6月28日
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震災から五年が経ち、ホールディングカンパニー制への移行と電力自由化という一大イベントを経た今、東電はいかに変わったのか。英原子力公社会長を務めるなど原子力産業に明るく、コーポレートガバナンスの専門家として震災後に招聘されたバーバラ・ジャッジ氏に話を聞いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 片田江康男)

「効率性重視文化」から
「安全性重視文化」へ

――事故から五年経ちましたが、東京電力はどのようなところが変わったのでしょうか。

バーバラ・ジャッジ
米ペンシルバニア大学、ニューヨーク大学法科大学院で法学博士を取得。1980年、米国証券取引委員会の最年少委員に任命される。その後、多くの金融関連企業のマネジメントを経験。2004◯10年、英国原子力公社会長。2010年から英国年金保護基金会長を務める。15年には英国経営者協会会長に就任。2010年、大英勲章第三位(CBE)を受勲。Photo by Kazutoshi Sumitomo

 私は、「効率性重視文化」から「安全性重視文化」へ企業文化が変わったことが一番大きな変化だと思っています。

 震災前は、東電ではとにかくたくさんの電力を効率良く生産することを第一にしていました。そのためには、多少のルール違反も見逃してよいという空気がありました。

 ところが事故後は、安全性を何よりも優先しなくてはいけないということを第一に掲げており、徐々にですが、企業文化が変わってきています。安全性を重視するために、スケジュールが遅れて効率性が落ちても仕方ない、という文化になりつつあると思います。

 ただ企業文化を変えるというのは非常に難しいことです。3年間くらいはかかったのではないでしょうか。

 力を発揮してくれたのは、海外の専門家です。私が英国原子力公社にいるときに部下だった、ジョン・クロフツ氏に東電に来てもらい、安全を第一にする文化を根付かせるために働いてもらっています。

 もう一つの変化は、広報活動です。事故前まで、東電はあまり情報を開示しない会社でした。

 基本的に原子力発電所を運転しているのはエンジニアたちです。エンジニアは何事も完璧でなくては対外的に発表しない、正確な事実と状況把握ができるまでは待っていよう、というスタンスです。

 しかし、それでは社会とコミュニケーションをする上で、時間がかかりすぎてしまいます。世間は待ってくれません。

 やっと情報が出て来たと思ったら、データは開示するものの、その説明はほとんどされないから、世間にはうまく伝わらない。

 そこで、私が来てからは海外の広報の専門家を呼び、いかにして効果的に世間とコミュニケーションするかを学びました。また、外部から新たに人材を採用しました。

 以前と比較して、ずいぶん体制も変わったし、海外向けの広報も充実していると思います。

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