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東電・中電の合弁企業が結んだLNG売買契約の画期的な中身

週刊ダイヤモンド編集部
2016年6月22日
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電力・ガスの自由化では原発再稼働、資源価格の変動などLNGの需要を上下させる要素が多い。電力会社にとって需要増減に柔軟に対応できる売買契約は必須となっている Photo:AP/アフロ

 世界最大規模の燃料調達量を誇る東京電力ホールディングスと中部電力の合弁会社ジェラが、いよいよその本領を発揮し始めた。

 象徴的なのは、世界最大級の電力会社、仏EDFの子会社である英EDFトレーディング(以下、EDFT)と結んだLNG(液化天然ガス)の売買契約。ジェラが調達したLNGをEDFTが欧州の指標価格で買うものだが、取引量がジェラの裁量に委ねられている。つまり、ジェラは自社に都合の良い量をEDFTに売ることができるのだ。

 例えばLNG需要が減少して調達したLNGが余る場合、その分をEDFTに買ってもらえばよい。

 EDFTにもメリットはある。欧州では1990年代以降、LNG需要増を見越して、パイプラインやLNG受け入れ基地が各地で整備されてきた。基地は第三者にも開放され、使用権はさまざまな会社が保有している。EDFTもそうした会社の一社だ。

 ところが、欧州では大量に再生可能エネルギーが導入されたことなどから、LNGの需要は低迷。困ったのが基地の使用権を保有するEDFTのような企業だった。放っておけば基地の稼働率が上がらず、使用権のコストが回収できない。そのため、取引量の裁量権が相手にある契約でもLNGを買って基地の稼働率を上げ、少しでもコストを回収したいというインセンティブが働いていた。

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