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「引きこもり」するオトナたち

セクハラ社長の横暴で給与は100万円ダウン!
キャリアOLを追い詰めた独断偏見の“評価主義”

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第36回】

 「私も、引きこもりの予備軍だなって、思っちゃったんですよね」

 そう明かすのは、この4月まで大手企業のキャリア職として勤務していた、40代前半の井手真奈美さん(仮名)。

 職場にいた頃から、「引きこもり」の人たちの気持ちが理解できたという。退職してから半年近く、仕事もしていない。

 「私も、引きこもりかもしれないと思ったのは、環境が整っているからです。ある日、突然、緊張の糸が切れる気持ちが、わかるような気がするんですね。私は優等生ではない。ただ、ずっと優等生的な仕事をしてきて、もういいやって…」

 ある日、朝起きたら、目が回って、とてつもなく吐いた。いくら寝ても、気持ちが悪く、夜になって、ふらつきながら病院に行くと、医師から、こう告げられた。

 「ああ、自律神経失調症ですね」

 彼女は、そのまま点滴を受け、薬を渡されたものの、電車に乗るのが怖くなった。

突然給与が100万円ダウン!
今までのキャリアを否定される

 会社を辞めた直接のきっかけは、突然、直属の部長から、「年間の給与を100万円以上下げる!」といわれたことだ。その結果、12年前に同業他社から転職入社してきた当時の水準に戻った。

 井手さんは、都内の実家で、両親とともに暮らしている。だから、すぐに家賃が払えなくなるといった心配があるわけではない。

 ただ、前の会社から通算して20年近くにわたり、コツコツとキャリアを積みあげてきた。その領域では、プロとして十分やっていける自負もある。給与は、そんな一生懸命働いてきた自分への成果だと思っていた。

 この会社では、リーマンショック以降、業績が悪化。子会社に出向していた新社長が就任すると、リストラで大幅な人員削減を行い、給与体系も年功序列から評価主義を取り入れた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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