冷静さを失い、大きな声を出していたのだろう。通りかかる大臣や議員がびっくりした表情で筆者を見ている。

 すると、どこかに連絡を取ったのか、H氏は「いま解除しました」と発言を翻したのである。田中氏の記事に戻ろう。

 〈禁止の解除がニコ動側に伝わったのは代表選挙が始まるわずか15分前である。それも広報担当者からではなく、上杉氏が現場で七尾氏に「生中継できるようになったよ」と告げたのである。

 「ネット生中継の禁止」を七尾部長に伝えた広報担当者は筆者の電話取材に「民主党本部が独自でネット生中継をやるため」と説明した。

 代表選挙の開始は午後2時、新代表が決まるのは4時である。地上波テレビ在京キー局が夕方のニュースを開始するのは5時である。テレビ朝日などは一時間繰り上げていたが、それでも午後4時からだ。

 テレビ局にしてみればネットに先を越されたのではたまったものではない。視聴率=営業収入に響く。TBSは苦肉の策として自らで代表選のUSTREAM中継を行い広告宣伝をつけたほどだ〉

時代に逆行する、8年ぶりの
不公平ルール復活

 その直後、すぐに記者クラブへの取材を開始した。すると、今回の代表選取材に関しては、事前にすり合わせを行い、「ルール策定」に協力していることがわかった。これで、代表選初日、記者クラブ優遇の幹事社質問が復活した理由も判明した。それは民主党としては、実に8年ぶりの「不公平なルール」の復活であった。

 〈近年、国民のテレビ離れが進み経営が厳しさを増すテレビ局にとってネット生中継は目の敵である。総務省の記者クラブがフリー記者によるネット生中継を禁止しているのは象徴的な例だ。

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記者クラブメディアの現状はもはや断末魔

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