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三谷流構造的やわらか発想法

子どもの論理性と想像力をとんち小咄で鍛える~賢者アーファンティ

子どもの発想力・自立心の鍛え方(7)

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第142講】 2016年7月7日
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この小咄(こばなし)、即座に笑えますか?

 三女が小学4年生のとき、学校で国語の時間に、先生がこんなお話を読んでくれたそうです。

 ちょっと昔の中国(*1)のお話。

 草原で暮らす賢者アーファンティ。

 馬羊を飼い、その肉を食べ、その油を売って生活していた。

 ある時、いつも油を買ってくれる、万屋(よろずや)の主(あるじ)が来て曰く

 「おいおい、前回お前さんから買い取った油、一斤(いっきん、約600g)に足りなかったぞ」

アーファンティ、答えて曰く、

 「おかしいなあ。天秤ばかりの重りが見あたらなかったから、前にお主(ぬし)から買った塩一斤を重りにして、それで量って渡したんじゃがのぉ」

 おしまい。

 先生がこのお話を読み終えたとき、即座に笑えたのはクラスに数人だけだったとか。多くの子は「えーっ、お話まだ途中ジャン」と。

 そんなものかと思い、友人たちにも子どもや知り合いに試してもらいました。それでもやはり、半分以上の子どもは「???」だったのです。

なにが、わからないか、わかりますか?

 子どもたちはいったい、なにが、わからなかったのでしょうか。なにに引っ掛かってしまったのでしょう。

 この小咄は、決してだまし合いのお話ではありません。アーファンティは中国では(トンチ和尚としての)一休さんのような存在だそう。彼は(一斤のハズの塩を誤魔化して少なめにして売りつけた)万屋の主を、うまく懲らしめようと思って、イタズラを仕掛けた訳です。

 この後、万屋が直ぐ謝ったか、すごすご帰って行ったかはわかりません。でも、きっと反省したことでしょう。

*1 実際にはウイグル族の民話。アニメ『阿凡提的故事』、人形劇『阿凡提』が中国で人気を博した。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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