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原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道
【第21回】 2010年9月21日
著者・コラム紹介バックナンバー
原 英次郎 [ダイヤモンド・オンライン編集長]

イトーヨーカ堂創業者・伊藤雅俊氏はじめ、
全国600社超から視察研修依頼が殺到!
人口4700人の温泉町で1日2万個のおはぎを売る
小さなスーパー「さいち」の秘密(前編)
夫婦二人三脚で築きあげた「心」の経営

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 東北自動車道仙台南インターチェンジを下りて、10分ほど車で走ると名取川沿いに縦に伸びる秋保温泉にたどりつく。JR仙台駅や山形駅からも車で30~40分ほどの場所だ。

 人口4700人の小さな温泉町に、1日平均5000個、土日休日は1万個以上、お彼岸になると2万個もの「おはぎ」を売る店がある。その店の名は「主婦の店 さいち」(社名は株式会社佐市)。和菓子屋さんではない。外見は田舎町にあるごく普通の小さなスーパーだ。

「主婦の店 さいち」、見た目はどの田舎町にもあるフツーのスーパー。

 実は、さいちには、ヨークベニマルやヤオコーを始め、大手スーパーやコンビニチェーンの担当者が視察・研修に訪れる。その数はこれまでに600社超。お目当ては、さいちの惣菜部門だ。さいちのお店は、秋保町のたった1店舗のみ。年商6億円のうち、50%を惣菜部門(おはぎ+300種超のお惣菜)が占める。平均的なスーパーの惣菜部門は全売上の10%にも満たないので、この数字は驚異的だ。

 「どうして、そんなに売れるのか?」。全国からその秘密を学びにひっきりなしにやってくる。

 さいちの躍進は、佐藤啓二社長(75)と奥様の澄子専務(75)が二人三脚でつくり上げた。澄子専務が朝1時半に厨房に入り、惣菜部門を現場で指揮する。9月17日には、初めての著書『売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法~』(ダイヤモンド社刊)が発売された。

 さいちの創業はいまから約140年前。おもに温泉旅館向けに、日用雑貨や食品などを扱う小さな店を営んでいたが、経営難に陥り、1979年に「主婦の店 さいち」として、いわば再スタートを切った。惣菜を始めたのは、開店から1年ほど経ってからだ。

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原 英次郎 [ダイヤモンド・オンライン編集長]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
04年4月『会社四季報』、05年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、06年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、11年10月から現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

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