今週の『週刊ダイヤモンド』は「エアライン vs JR」特集です。

 “4時間の壁”という言葉をご存知でしょうか。新幹線の乗車時間が4時間を超える距離になると、移動に航空機を選ぶ人が多くなる現象を指した言葉です。

 実は、今年から来年にかけて新幹線が延伸することで、この“4時間の壁”を越えずに移動できる範囲が一気に広がるのです。エアラインの専売特許だったファーストクラスの導入も予定されています。

 今まで独壇場だったエリアまで攻め込まれるエアラインは、負けじとANAが格安航空会社(LCC)の新会社設立を発表。国内を新幹線の半額以下の運賃で移動できるようにする構想を描いているようです。

 今までも国内交通機関の覇権をかけて争ってきた彼らですが、今まさにその争いが熾烈さを極めています。

 そこで本誌では、読者の皆さんが出張や旅行の際に移動手段を選ぶ手助けとして、「航空機 vs 新幹線の五番勝負」を敢行。国内11路線でどちらが安くて早く移動できるか、快適に過ごせるかなど、5つの角度から徹底比較しました。

 さらに、マイルとスイカのどちらがおトクか検証したり、格安キップ購入のマル秘テクニックを追ったりと、航空機と新幹線を使い倒すための知識と技も伝授します。最も気になるエアラインの安全度ランキングも大公開! 海外も含めて、どのエアラインを使えば、より安全なのかをお教えします。

 もちろん、マニア必見のページもたくさんあります。今年10月にオープンする羽田国際線ターミナルの詳細マップを、2ページ見開きで豪快に見せます。他にも、全国に散らばる「鉄道の絶景」を54ヵ所も紹介します。

 前回のJR特集で大好評だった、縁の下の力持ちを取り上げた「現場で働くプロたち」企画も、エアライン側を含めてパワーアップして再登場しています。

 エアラインと新幹線の「未来」も占います。先日発表になったエアアジアの日本就航など、海外LCCが日本に押し寄せてきます。国内では新幹線延伸、国外ではLCC参入と、「内憂外患」の大競争時代にさらされているエアラインは、今後どうなるのでしょうか。

 一方JRは、グループ内での「格差」が広がってきています。現在も調整が続いている九州新幹線の行方は、高速道路割引に喘ぐJR四国の運命は……。ぜひ本誌を読んで確認してください。

 今回の特集は、様々な読み方ができます。出張のお役立ちマニュアルとしても使えますし、乗り物好きのお子さんと楽しむこともできます。おトクで快適な旅を楽しむため、旅行前に家族全員で本誌とにらめっこという読み方もあるでしょう。

 読者の皆さんが、それぞれの読み方で楽しんでいただければ幸いです。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 鈴木崇久)