努力には「いい努力」と「そうでない努力」がある。では、その「ちがい」とは何か?最高の成果が得られる「いい努力」をするための考え方、動き方とは?何がせっかくの努力をただの「時間のムダ」に変えてしまうのか?
世界最高のコンサルティングファームのトップコンサルタントとして得た豊富な経験から生み出した、生産性が劇的に上がる「仕事の方法」について、話題の新刊『マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力』から紹介する。

非生産的な会議も、やるからには有効活用する

 チームでも通常のピラミッド型組織でも、複数名で協力していい努力をするのに会議やミーティングは不可欠だ。

 これは組織として議論する、何かを決定するという実務面でも大切なものだし、副産物として、会議は自分の仕事に対するチェック機能を果たす。

「3日後に会議がある」となれば、そこで議論するにはどういう情報があればいいのか、どんなアイデアを提案したいのか整理することになる。

 いままでやってきたことを振り返って紙に落として準備すると、「あれ、これが抜けているな」と気づいたりする。

 自分たちが夢中でやってきたことが、目的に向かってどの程度進んでいるのか、どの程度の成果を手にしているのか、進捗状況も確認できる。

 とくに自部門や自分のチーム以外の人、たとえば役員や他部門のリーダーなどを巻き込んでの会議は、どれだけ自分たちの進めていることがチーム外で通用するかを試す、他流試合に出るようなものだ。

 状況を詳しくはわかっていない人にもわかるように説明するために、やってきたことを再整理し、自分たちが提案したいことの論旨や論拠も明確にすることになる。こうした整理を紙に落とせば曖昧さがなくなるし、考えも深まるだろう。

「再来週の水曜に大きな会議があるから、それに向けて提案内容を集約していかないと」となるわけだ。このように、会議はプロジェクトなどのマイルストーンにもなる。

 週一回のチームミーティングでも、月一回の大型の会議でも、それを一つの区切りとして、それまでにどこまで仕事を進めるか、自分たちなりのテンポをつくっていけばいい。

 会議は自分の意思に関係なくセッティングされることも多い。「ああ、面倒だ」と思うものもあるかもしれないが、会議も使いようだと意識を転換しよう。

 あまり生産的でない定例の報告会なども、仕事を定期的に整理させてくれる「健康診断」だと捉えることができる。どうせ参加するからには、能動的に活用すべきだ。

(※この原稿は書籍『マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力』から抜粋して掲載しています)