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岸博幸の政策ウォッチ

都知事選で誰に投票すべきかが難しい理由

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第38回】 2016年7月22日
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 都知事選が本格化して、7月31日の投票に向けてマスメディアは盛り上がっていますが、個人的には今回の都知事選は、主要3候補(小池、鳥越、増田)の誰に投票すべきかを決めるのが難しい選挙だと思っています。

どの候補も基本的にはイマイチ

主要3候補の誰が当選に近いのか。結果を読むのが非常に難しい選挙になりそうです

 というのは、そもそも出馬会見など最初の印象から、どの候補も都知事としてイマイチと感じざるを得ないからです。

 鳥越氏については、都知事選立候補のモチベーションが憲法改正反対という国政の課題です。その後付け加えたガン検診率100%というのも、大事な課題ではあるものの、東京都の固有の問題というより全国規模の問題です。そう考えると、都知事への適格性という観点からは疑問を抱かざるを得ません。

 小池氏は、都議会解散で既得権益打破を訴えたのは良いですが、議会解散は政策目的を実現する手段に過ぎません。お手本であろう小泉元総理の劇場型政治は、郵政民営化というそれを通じて達成したい目的が明確でしたが、では小池氏が都議会を解散して何を実現したいかとなると、よく分かりません。目的なき劇場型政治となっているように見受けられます。

 増田氏は、総務大臣時代に東京都に入るべき地方法人税のうち年間2000億円を国が地方に再配分する仕組みを作りました。かつ、最近は地方創生の絡みで東京から地方への人口移転を訴えていました。東京から地方にカネとヒトを移すべきという主張の人が都知事になってどうするのでしょうか?

 このように考えると、偉そうな物言いになってしまいますが、どの人もイマイチだなあとなってしまいます。

次の都知事に求められるべきは改革の姿勢

 しかし、文句や批判ばかり言っていてもしょうがないので、ではこの中で誰に投票したら良いのか、各候補の公約を見て考えてみましょう。

 その際に留意すべきは、マスメディアが日々取り上げるようなイシューにばかり目を奪われてはいけないということです。3候補とも、アプローチにこそ差はあれ、東京オリンピックの成功、保育や介護の充実、防災の強化を訴えていますが、これらの課題はある意味で目の前の課題であり、政治家としてしっかりと対応して成果を出すのが当たり前です。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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小泉政権時代に竹中平蔵氏の秘書官を務め、数々の構造改革を立案・実行した岸博幸氏がテレビや新聞が決して報じない知られざる政治の裏側を暴きます。

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