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税金亡命
【第3回】 2016年7月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐藤弘幸

富裕層は「これ」を利用し、
贈与税から逃れている!

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・パナマ文書、タックスヘイブンとは何か?
・富裕層はどんな税金対策をしているか?
・世界ではどのような脱税行為が行われているか?

国税最強部門、「資料調査課」(税務署では調査できない困難案件、例えば大口、悪質、海外、宗教事案などを扱う部署)出身であり、タックスヘイブンの実情を描いた最新刊、『税金亡命』の著者でもある佐藤氏が、本連載で実情を語る。

前回に続いて、富裕層の税金対策を詳しく見ていこう。

「5年ルール」による財産贈与

 数年前までは、贈与を受ける人が非居住者(非居住期間が5年以上の者)で、贈与する財産が海外にある財産ならば、贈与税が課税されなかった。そこで脱法スキームが横行して、国が最高裁で負けたのを機に法律改正がされた。

 改正後は、贈与をする財産が海外にあっても贈与をする人と贈与される人がともに非居住者であることが要件となった。

 そこで、改正法に合わせるように、親子で海外脱出した上で贈与を行うという現象が見受けられるようになった。注意が必要なのは、脱出するのはどこの国でもいいという訳ではない。

 脱出する国に相続税がないこと、キャピタルゲインが非課税である、脱出先の税制が国外所得非課税だったりする必要がある。フレキシブルにスキームを構築する必要があるからだ。

「非居住者」の判定基準は?

 そして重要な問題がある。無事に「日本の非居住者化」が出来たかどうかは、誰も保証してくれないという点である。

 日本から海外に移転して1年以上すれば非居住者になるはずなのだが、課税当局は生活の状況、家族の状況、財産の状況、仕事の状況などを「総合勘案」して居住者判定を行っている。この「総合勘案」とは、具体的にどんな基準なのだろうか?

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佐藤弘幸(サトウヒロユキ)

1967年生まれ。東京国税局課税第一部課税総括課、 電子商取引専門調査チーム(現在の統括国税実査官)、統括国税実査官(情報担当)、 課税第二部資料調査第二課、同部第三課に勤務。 主として大口、悪質、困難、海外、宗教、電子商取引事案の税務調査を担当。 退官までの4年間は、大型不正事案の企画・立案に従事した。 2011年、東京国税局主査で退官。現在、税理士。


税金亡命

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