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日本の警察が法改正で新たに得た捜査の「武器」とは?

週刊ダイヤモンド編集部
【16/7/31号】 2016年7月25日
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『週刊ダイヤモンド』7月30日号は「日本の警察~もっと知りたい権力とお金」。事件の多様化、複雑化といった環境の変化に加え、刑事訴訟法の改正により警察の捜査は大きな転換期を迎えています。警察の現状に迫りました。

 「警察が何でもできる時代がやって来た」

 今年5月、ある県の警察本部の刑事は、国会で一つの法案が可決されたことを受けてこう語った。その法案とは、刑事司法改革関連法案。柱となるのは、刑事訴訟法の改正だ。2010年に発覚した大阪地方検察庁特捜部の証拠改ざん事件などを契機に、冤罪の温床とされた密室での取り調べや、「自白偏重」の捜査手法からの脱却を図ろうと、取り調べの録音・録画(可視化)が義務化された。

 だが、可視化によって供述が得られにくくなるとして反発していた法務省や警察など捜査機関側には、新たな“武器”が認められた。

 その一つが「司法取引」だ。振り込め詐欺などの組織犯罪や汚職などの経済事案が対象で、組織のトップや共犯者の犯罪を供述すれば不起訴にしてもらえたり、量刑を軽くしてもらえたりできるようになったのだ。

 そしてもう一つが、「通信傍受法」の改正だ。これまで対象だった銃器など4種類の犯罪に、複数犯による詐欺や窃盗など9種類を追加。通信事業者の立ち会いも不要となった。

 「可視化は捜査の足かせになり得るが、引き換えに手にしたものが大きく、実質的に“勝利”したようなものだ」と、この刑事は語る。

 こうした流れを、一部では「警察の焼け太りにつながる」と非難する声もある。だが、警察関係者は一様に「事件の多様化、複雑化に対応するためには、捜査手法も進化させる必要がある」と口をそろえる。

 確かに、今やスマートフォンやメールなどを使った犯罪は日常茶飯事だし、縁もゆかりもない者同士がSNSなどでつながり、組織的な犯罪に手を染めている。捜査現場では、そうした犯罪に対応するため、防犯カメラの映像解析や、インターネット、SNS上でのやりとりを分析するなど、新しい捜査手法が次々に求められている。

 それに伴って、警察内部でも科学捜査やサイバー事件の捜査に携わる捜査員たちの発言権が増し始め、ベテラン刑事たちに取って代わるようになるなど、捜査員たちの“パワーバランス”も変わり始めている。

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