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大阪地検特捜部の証拠改竄事件に学ぶ、
組織のジレンマから脱却する方法

川原慎也 [船井総合研究所 東京経営支援本部]
【第39回】 2010年10月12日
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なぜ、証拠改竄事件は起こったのか?

 「郵便不正事件 厚生労働省・村木元局長に無罪判決」

 このニュースとほぼ同時に、大阪地検特捜部の主任検事が証拠品であったフロッピーディスクの内容を改竄した容疑で逮捕、というニュースが流れました。その後、上司である特捜部副部長と特捜部長が逮捕されて取り調べ中というのは皆さんもご承知の通りです。

 この証拠改竄事件の大まかな概要は、証拠品として押収したフロッピーディスクに保存されていた書類の作成日時が、検察捜査のシナリオ(村木元局長の指示のもとに部下が書類を作成)と合わない為、主任検事が意図的に作成日時を書き換えてしまった、さらに、その報告を受けた上司(特捜部副部長および特捜部長)が不正を気づいていながら適切な対応をしなかったのではないか、というものです。

 村木元局長の身になって考えてみると、実に恐ろしい話です。

 自分自身は何の罪も犯していないのに、検察で自分自身を有罪に追い込むストーリーが出来上がっており、そのストーリーに沿った供述調書が作成され、ストーリーに沿った証拠が捏造されている、といったことが行なわれているとしたら…。

 そもそも検察とは、罪を犯してしまった人が「どうして罪を犯したのか」「どうやって罪を実行したのか」を明らかにした上で適正な償いを受けてもらうために、国民からは“正義の番人”としての役割を期待されている組織です。恐らく容疑者として逮捕されている3名も、もともとはそういった高い志を抱いて検察官になったのではないでしょうか。

 だとすると、なぜこのような事態に至ってしまったのでしょうか。

 どうしても私たちは、事件を起こした人、すなわち“個人”の方に注目してしまいます。また私たちは結果として、最終的には“個人”の責任として事態が収拾されるケースを数多く見てきましたが、どちらかといえば“組織”に着目すべき問題なのではないでしょうか。

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川原慎也 [船井総合研究所 東京経営支援本部]


1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業種業態を問わずに戦略実行コンサルティングを展開するという同社では異色の経験を持つ。「視点を変えて、行動を変える」をコンセプトに、戦略策定段階では「お客さまとの約束は何か」→「約束を果たすためにやるべき仕事は何か」を考え抜こう、計画策定段階では「計画が頓挫する可能性の対処策」を考え抜こう、実行段階では「勝たなきゃ組織一体化しない」から“勝ち”を積み重ねる階段を考え抜こう、と経験に裏打ちされた“視点”への刺激が散りばめられ、組織を動かす原動力へと変えていく。
最新著に『絶対に断れない営業提案』(中経出版)がある。

【関連サイト】『経営参謀の視点』※毎週月曜日更新 

 


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