2019年に予定されている第9回ラグビー・ワールドカップの日本開催が濃厚になった。

 今月28日、世界のラグビーを統括する国際ラグビーボード(IRB・本部アイルランド)の理事会で2015年と2019年の2大会の開催国が決まる。
 2015年大会には当初8ヵ国が立候補したが、世界同時不況の影響もあって撤退する国が相次ぎ、イングランド、日本、イタリア、南アフリカの4ヵ国が残った。2019年大会は7ヵ国が立候補し、日本、イタリア、南アフリカの3ヵ国に絞られた。

 大会はIRBから委託されたラグビー・ワールドカップ・リミテッド(RWCL)という組織が運営・管理を行っている。このRWCLが残った立候補国の大会運営能力や環境をチェックした結果、「2015年はイングランド」、「2019年は日本」とIRBに推薦したのである。

過去の開催国はすべて強豪ばかり

 もちろん現状は推薦に過ぎず、最後のどんでん返しがないとは言えないが、RWCLにはIRBのベルナール・ラパセ会長をはじめ幹部が名を連ねており、IRBへの影響力は大きい。2015年大会はイングランド、2019年大会は日本開催で決まりと見ていいだろう。

 だが、この判断はラグビー・ワールドカップの歴史から見ると極めて異例なのだ。これまでに行われた大会の開催国とその成績を一覧にしてみた。

第1回(1987)ニュージーランド→優勝
第2回(1991)イングランド→準優勝
第3回(1995)南アフリカ→優勝
第4回(1999)ウェールズ→ベスト8
第5回(2003)オーストラリア→準優勝
第6回(2007)フランス→4位

 いずれも開催しているのは強豪国であり、大会では上位に進出している。また、2011年大会の開催国ニュージーランドも、2015年大会の開催国にほぼ決まっているイングランドも優勝が狙える実力を持つ。

 それに対して日本はどうか。

 アジアでは最強国であるため、これまで6回を数える大会にはすべて出場している。だが、その戦績は散々で、20戦して1勝18敗1分。参考までにトータルしたスコアを記すと、得点359の失点975で、得失点差はなんとマイナス616だ。過去の例から見れば、とても開催国を務める実力はない。