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クラフトビールは生き残れるか

バドワイザーすら隅に追いやる米国クラフトビール事情

週刊ダイヤモンド編集部 泉 秀一
【第6回】 2016年8月19日
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Photo:Alamy/Aflo

クラフトビールの販売数量が市場シェアの10%以上を握るクラフト先進国の米国。追いつけ追い越せと、日本のクラフトビールメーカーも米国を注視するが、日米のビール市場には根本的な違いがある。クラフトビールは日本でも10%規模にまで成長できるのか。米国でクラフトビールが普及した理由から、その可能性を探った。(「週刊ダイヤモンド」編集部 泉 秀一)

 米国ビール――。この単語を聞いて、どんな商品を思い浮かべるだろうか。多くの人が、米国を代表するビールとして「バドワイザー」ブランドを思い浮かべたのではないだろうか。

 「KING OF BEERS」。単一銘柄で世界一の販売数量を誇るバドワイザーは、こんなコピーを持つ。今年の5月末からは、11月の米大統領選までの期間限定で、商品名を「America」に変更しており、名実共に米国を代表するビールとして認知されてきた。

 ところが近年、このKINGの座が揺らぎ始めている。小売店では、バドワイザーは、陳列棚の端に詰め込まれている。もはや、売り場では王者の風格はなく、「隅に追いやられている」(ビール業界関係者)といった方がしっくりくるほどだ。

米国のビール売り場では、バドワイザーのような有名ビールは隅に追いやられ、さまざまなクラフトビールが幅を利かせている
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 このバドワイザーを追い詰めているのがクラフトビールだ。陳列棚を見渡せば、バドワイザーなどの大手ビールの売り場と同規模のスペースがクラフトビール用に確保されている。

 パブやレストランなどの飲食店でも、地域や店舗オリジナルのクラフトビールが販売されており、施設内でビールを醸造して販売する店さえある。消費者は、もはやクラフトビールを「探す」必要がなく、生活の中に溶け込んでいるといえる。

 クラフトビールの攻勢は、販売数量にも表れている。2013年にはクラフトビールの販売数量がバドワイザー単体の数量を上回り、昨年のクラフトビールの市場シェアは販売数量ベースで約12%、金額ベースでは実に約21%にのぼる。

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近年ブームとなっているクラフトビール。縮小を続けるビール市場の救世主として、大手も参入し始めた。しかし、小規模醸造が信条のクラフトビールが装置産業のビール業界で生き残るのは極めて難しい。クラフトビールは日本で生き残れるのか。かつての地ビールブームが終焉に至った理由や海外ビール市場との違いを分析しながら、日本のビール業界が抱える問題をあぶり出す。

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