婚活ブームのなか、結婚するための方法ばかりが取り沙汰されるが、最も大切なのは結婚「後」のやり繰りである。相性・愛情だけでは乗り越えられない結婚には、マネジメントの発想が欠かせない。成功者から学んだ「結婚マネジメント」のコツとは何か?

ビジネスパーソンこそ、
結婚「後」を真剣に考える必要がある

「結婚と恋愛は違う」とはよく言われることですが、同時に恋愛のまっ最中にあっては、これほど「耳に届かない」フレーズもありません。私が過去に話を聞いた1万人に及ぶ諸先輩たちの話の中にも、必ずお約束のようにこのフレーズは登場していました。

 付き合っているときは、いかに相手の良いところしか見ていなかったか、どれだけわかったつもりでいても、いざ結婚してみると実はぜんぜんわかっていなかったかとか、こうした後悔は、実際に既婚者の多くが経験していることかもしれません。

 結婚前はやさしくて頼もしく思えた男性が、いざ旦那さんになると、一切家事をやらないとか、やさしさは優柔不断の裏返しだったとか、頼もしさは強引さに変わってストレスになるといった妻側の後悔もよく聞きます。

 また、付き合っているときは、誕生日、クリスマス、ホワイトデーなどのたびに、小まめにプレゼントやサプライズのイベントをしてくれたけど、結婚を機に「釣った魚にエサはやらない」旦那さんに変身してしまったことを嘆く女性がいかに多いことか……。

 男性側も、結婚前は甲斐甲斐しく尽くしてくれた女性が、結婚後、料理はおろか家事も一切やらないとか、すっかりわがままになって、自分の思うようにいかないと怒り出すといった妻の豹変ぶりに、笑うに笑えない状況の人がいます。

 しかし、そうした変化は相手への愛情を減退させる大きな原因ではありますが、先人たちが、結婚こそ人生の分かれ道だと後悔するのは、それとはまた少し違っています。結婚において愛情は必要条件ではありますが、十分条件ではないのです。「愛情だけで何とでもなる」というのは非常に美しい言葉ですが、現実はそう簡単ではありません。

 どれだけ相手に対して愛情を持ち続けていても、日常生活ではそれだけでは乗り越えられない困難はたくさん存在します。家事の分担問題から旅行の行き先、子供の習い事をどうするかなど、愛情だけでは解決できない問題ばかりです。

 結婚は惚れた腫れただけの問題ではありませんし、もちろん恋愛の「ゴール」でもありません。その後の人生プランそのものであり、ビジネスパーソンにとっては、何より結婚「後」を考えないといけないというのが、先人たちの後悔です。

 婚活時代と言われるなか、結婚「前」ばかりが語られますが、焦って結婚することはその後の人生をダメにすることにもつながります。近年、いかに結婚するかが多く取り上げられますが、結婚「後」の生活をいかにつくりあげていくかをもっと考えるべきなのです。

 結婚は愛する相手を見つけることではなく、愛し合い続ける相手を見つけ、自分たちだけの家庭をつくり出し、改善し続けることに他なりません。そこには、相性や愛情を超えた「努力」と「技術」が必要なのです。

 では、結婚「後」に必ず押さえておくべきポイントとは何でしょうか。次ページからは、1万に及ぶ先人たちの後悔をベースに導き出した、「結婚マネジメント」に必要な4つのポイントを解説していきましょう。