ガスも電気と同様に
小売の全面自由化へ

 今、政府・経済産業省においては、電気料金制度とガス料金制度について、それぞれ制度変更の検討が進められている。

 電気料金制度に関しては、いわゆる“電力システム改革”を具現化するために先の通常国会で提出された電気事業法変更案に連動するものである。ただ、6月の会期末での政治的混乱から同法案は廃案になったが、次の臨時国会で同じ内容の法案が再び提出される見込みである。

 ガス料金制度に関しては、7月12日の第1回会合で検討が開始されたばかりだが、9月3日の第2回会合報告書案が提示されるという“スピード結審”の様相を呈している。

 そこで示されている方向性は、平成24年3月の『電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議報告書』で掲げられた思想を受け継ぐ内容が散りばめられているが、総括原価方式を否定しているわけではない。これは、家庭用等の小規模需要向けのガス小売を地域独占・規制対象としている現在の事業制度を前提としているからであるが、政府は、ガスについても、“電力システム改革”と同様、小売の全面自由化を進める意向と伝えられており、早晩議論が開始されると思われる。

 言うまでもなく、電気料金もガス料金も、国民生活に深い関わりがある。公共料金として毎月徴収されるものであり、いわば日銭のようなものである。だから、料金制度を変更することでどのような料金水準になるのかが、消費者の最大の関心事になろう。

 そういう観点から、特に我々一般消費者の代弁者と思われる消費者団体がどのような姿勢でこの検討に臨んでいるかに興味が湧いてくる。