カラオケ機器、ボックス店共に業界トップ。業績も堅調だ。店舗・客層のトレンドや、介護予防向け機器の普及について話を聞いた。

──通信カラオケが登場して20年がたちました。市場はどのように変化していますか。

林 三郎 第一興商社長 <br />カラオケで高齢者を元気にはやし・さぶろう/1953年、東京都生まれ。79年に第一興商へ入社。東京支店長を経て97年に取締役。2003年、営業統括本部長。2011年より現職
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 機器(「DAM」シリーズ)については、1990年代は新規参入が相次ぎ、メーカーが十数社いましたが、その後、合従連衡が進み、現在はシェア約65%を持つ当社ともう1社の2強体制です。

 カラオケボックス「ビッグエコー」は現在417店舗、出店数はカラオケチェーンでトップです。全国でメガチェーン化が進んでおり、出店競争が激化しています。

──カラオケボックスは飽和状態に見えますが、出店余地はあるのですか。

 街は常に変化しています。例えば東京・渋谷は近年、新しい建物が増えたことで人の流れも変わり、競合店との優劣もついています。有効な立地に限りはありません。

──店舗の特徴や客層にも変化は見られますか。

 若者向けの安い店と、食事やサービスを厚くしたサラリーマン、OL向けの中高級店に二極化しています。ビッグエコーは後者ですが、5年ほど前からお年寄りや子連れ主婦グループが増えたことにより、昼間の稼働率が1.5倍近く上がっています。